弐佰拾) 大掃除 ページ23
"とにかく屯所を清潔に"
松本先生のその一言で
今日一日が大掃除の日となった
きっと近藤さんは
"隊士の三分の一が不調"という事実に衝撃を受けたのだろう
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A「はぁ...今が冬じゃなくて良かった」
雪村「確かに冬の水は冷たいから」
私と千鶴は雑巾を絞りつつ、顔を見合せて苦笑いをした
A「まぁでも、掃除した方がいいよね...流石に」
チラッと後ろに視線を向けてから肩を落とす
廊下の隅や手すり、畳などは砂や埃で汚れているし、
特に外に出ている縁側はだいぶ汚れていた
雪村「病気の人も治るに治らなくなっちゃうもんね」
雪村「よしっ」
そう言って千鶴は勢いよく立ち上がる
雪村「掃いて、拭いて...今日はしっかり掃除しなきゃ!!」
やる気満々の千鶴は
「ふんっ」
と意気込むと、絞った雑巾を持って持ち場へ戻っていった
A「元気だなぁ」
私も掃除自体嫌いでは無いから、この時間も苦ではない
...好きでもないけど
まぁ、ほかの隊士達は
「大掃除の日とする」
って近藤さんが言った時、とてつもなく嫌な顔してたけどね
もちろん幹部含めて
A「私も頑張りますか」
自分を鼓舞しながらゆっくりと腰を上げ、
私も持ち場へと向かった
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A「ふぅ...これで良しと」
雪村「ようやくひと息着けそうだね」
廊下は
千鶴と数人の隊士達と一緒に隅々まで丁寧に拭いて
ピカピカになった
こんなに大きい屯所でも人数がいれば案外早く終わるものだ
早く終わるって言っても、お昼はとうの昔に過ぎているけど...
ギュルルルルル
A「お腹空いた」
私のお腹から盛大に音が鳴った
掃除に夢中になっていた時は何ともなかったのに
終わって一息ついた途端、空腹を自覚する
皆も休憩取ってないみたいだし...
A「千鶴はお腹空いてる??」
雪村「実は...空いてる」
千鶴は恥ずかしそうに頬を赤くして笑った
こうなったら....
A「みんなの分も含めておにぎりでも作ろっか」
健康のための掃除なのに、
休憩取らないまま続けて体調を崩したら元も子もないし
休憩も仕事を続ける上で大切だもん
雪村「うん!!」
私の提案に千鶴はにっこり笑って頷いてくれる
あぁ、ほんとに千鶴はいい子なんだから
A「じゃあ、皆も手伝ってくれる??」
私は一緒に掃除をしていた数人の隊士にも声をかける
そして、おにぎりを作るべく勝手場へと向かった
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年3月17日 19時