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弐佰参) 吐血 ページ13

A「今すぐに色々教えたいところだけど...」

A「千鶴に会わせたい人もいるから、もう少しだけ待ってくれる??」



雪村「うん!! 私待つよ」

雪村「Aちゃんありがとう」ニコッ



千鶴に鬼だということを伝えて...

それ以外のことは、きっとお千の方が詳しいだろうから
任せちゃおうかな



A「あっ、そろそろ寝ないと明日起きれないね」



雪村「もうそんな時間...」



A「じゃあまた明日」



"おやすみ"

そう言おうとした時



「ゲホッ!!」

「ゲホッゲホッ!!!!!!」



少し離れた場所から咳が聞こえる



A「総司...??」



千鶴も気がついたのかお互いに顔を見合わせる

そして、
建物の影からそっと様子を伺う



A「やっぱり総司だ...」



そこには木の柱に手を着きながら
苦しそうに咳をしている総司が居た



A「...」



総司は風邪とか言ってるけど、
一向に良くならないし悪くなる一方

咳の頻度も日に日に増えてるし

ほんとに風邪なの....??


そして、総司は咳が収まるとその場を後にする



A「あっ」



ザッザッ



総司が立ち去るのを見届けた後、
千鶴と共に咳き込んでいた場所に向かって
更に様子を伺う

後ろ姿は既に小さくなっていた


そして完全に見えなくなった時、
ふと足元に視線を向ける



A「えっ.....」



地面に血が垂れている

私の声に千鶴も地面に視線を落とした



雪村「っ!?!?」



ここはさっき総司が咳き込んでた場所

...咳き込んで血を吐いたってこと??

つまり....



A「風邪....じゃないのかな」



私の呟きは暗い夜の闇に消える



雪村「....」



千鶴も黙ったまま地面を見つめていた



A「千鶴、このことは私達の秘密ね」

A「誰にも言っちゃだめだよ」



きっと何かの病気となれば
早急に土方さんや山崎くんに伝えて回復に努めるのが一番

だけど...さっきの総司は驚いた様子もなかった

ってことは咳き込んだ時、
既に吐血したことがあるって考えるのが自然

総司は自分の不調を分かってて誰にも言ってないんだ


ここは下手に伝えないで本人に確認した方がいいだろう



雪村「...分かった」



私の考えを察したのか、千鶴は静かに頷く



A「じゃあ、私は部屋に戻るから」



雪村「おやすみなさい」



A「おやすみ」



今すぐに総司に聞きに行きたい気持ちをグッと我慢する


そして弱々しく輝く月に照らされながら

私は自室に向かった

弐佰肆) 稽古・壱→←弐佰弐) 意志



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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年3月17日 19時

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