検索窓
今日:38 hit、昨日:21 hit、合計:2,254 hit

弐佰弐) 意志 ページ12

総司と分かれたあと、
私は何となく真っ直ぐ部屋には戻らなかった

酷く疲れてるなら早く休んだ方がいいのに

だけど、もう少しだけ月を見ていたかった


夜の空気を感じながら
正面のひらけたところに来た


屯所が西本願寺に移されてから
何においても、今までより広く使えるようになった

ここの広さなら、稽古するにも広いくらいだ



A「でもやっぱり、疲れたな」



外に出てきたものの身体の疲れには抗えない

すぐにどこかに座りたくなる



A「...帰ろ」



そう言って来た道を戻ろうとした時、遠くに千鶴の姿が見える



A「...」



すぐ部屋に戻って寝たいけど...
まだ部屋に戻らないで外にいるってことは何かあったんだよね



A「...行ってみるか」







ザッザッ

千鶴は私の足音に気がついて顔を上げる



A「やっほ〜」



そう言って軽く手を挙げた



雪村「Aちゃん...」



A「どうしたの?? 何かあった??」



雪村「....」



千鶴は沈んだような表情のまま俯く



A「...風間達??」



私の言葉を聞いてビクッと肩を揺らした



A「私はいつでも千鶴の味方だよ」

A「一人で抱え込まないでよ」

A「ね?」



千鶴は頷いてゆっくりと口を開く



雪村「風間さん達が私を鬼って言ってたの」

雪村「同胞だって」



A「そっか.....」



いい時期だったのかもしれない
千鶴も私も新選組に馴染んできて、仲間だと認めてもらえてる

鬼と羅刹についてはみんな知ってるし、
今なら千鶴に話していいかもしれない



A「千鶴はさ、どう思う??」



雪村「私は....自分が鬼だとは信じられない」

雪村「だけど、たまに私は何者なんだろうって思うことはあるんだ」



A「何か思い当たる節があるの??」



雪村「私は、昔から傷の治りが早くて...」

雪村「それに最近はどんどん早くなってる」



A「千鶴は、もし自分が鬼だとしたら嫌??」



雪村「...分からない」

雪村「自分が人じゃないかもしれないって思うと怖い」

雪村「でも、ずっと悩んでた自分の謎が解けて安心するかな」



千鶴はそう言い終わったあとに
小さく「多分」と付け足した



雪村「...Aちゃん」



千鶴の瞳は私を真っ直ぐ捉えていた



雪村「私は、自分のことを知りたい!!」

雪村「Aちゃん、教えてくれる...??」



A「もちろん!!!!」



そう言って私は千鶴を抱きしめた

弐佰参) 吐血→←弐佰壱) 風邪



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (6 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
22人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 , 沖田総司 , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年3月17日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。