漆拾肆) 疑問 ページ8
A「土方さん、ありがとう」
土方「とりあえずおめぇは傷の手当だな」
土方「山崎に頼んでくるから」
A「大丈夫ですよもう治りかけてるし」
A「暫く圧迫すれば治るから」
A「それに慣れてるから、こういうの」
土方「...そうか」
Aの"慣れている"という言葉に土方は眉をしかめた
A「また、そんな怖い顔して」ハハッ
A「ほら早く行かないと やらなきゃ行けないこといっぱいあるんですよね??」
きっとAが自分の身体をあまり大切にしていないことを
土方はよく思っていないのだろう
土方がそう思っていることをAも気づいているが
"そう育った"のだから仕方がない
土方「とりあえず、お前はしっかり休め」
土方はAに向かってそう言った後、
「いいな??」
と更に念を押してその場を後にした
A「なんか土方さんってお母様みたい...」ボソッ
A「とりあえず止血して休むかな」
Aは傷は治り始めているが痛みは消えていない首元の傷に
包帯を巻いている時、ふと手を止めた
A「山南さん、私の血を飲んで人間に戻りかけたわけじゃないよね...??」
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原田「土方さん、山南さんは??」
土方「まだ分からん」
部屋の外から原田と土方の声が聞こえる
パチッ
雪村(山南さん....)
バサッ
自分が気を失っていたこと
山南さんのこと
を思い出し飛び起きた
雪村「ここは...」
ススッ
千鶴がそう呟いとき、静かに部屋の戸が開かれた
そこから姿を現したのは土方だった
土方「状況を説明してもらおうか」
雪村(同じだ...初めて屯所に来たあの日と同じ目)
土方の目は冷たく、そして鋭く千鶴を捉えていた
・
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土方「どうして山南さんとお前が一緒にいたんだ」
雪村「薬があれば山南さんの腕が治るかもしれないと思って探そうとしたんです」
雪村「そしたら偶然山南さんを見かけて...」
雪村「あの、山南さんが飲んだ薬に父様が...父が関わっていたって本当なんですか??」
土方「山南さんに聞いたのか??」
雪村「あの薬は人を強くする代わりに精神を壊すって」
雪村「それを幕府の命令を受けて作って実際試したのが扌の"新撰組"の人達だって...」
土方は千鶴の話を聞くと深くため息をついた
土方「聞いちまったなら仕方ねぇ」
そう言って"薬"のこと、"雪村綱道"のことについて話し始めた
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時