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漆拾参) 帰り道 ページ7

A「そうだ、土方さん」



去り際にAは土方へ声をかける



土方「なんだ」



A「少し落ち着いたら」



Aはそう切り出すと、今度は土方の方へ向き直った



A「この間の禁門の変の時のことも踏まえて、話すから」



土方はAの言葉にハッとなる

土方はあの時Aが何をやっていたのか誰に会っていたのか
聞けずにいた

それに加えて千鶴は毎回事件の場に出くわしている

二人が敵では無いが、
新選組の知らない"何か"があるということにモヤついていた



A「ずっと秘密にしてたら、信頼できないでしょ」ニコッ



沖田「君、また何かしてたの??」



A「後で話すって」

A「いい?? 土方さん」



土方「あぁ」



Aの言葉に少し安堵した様子で土方は頷いた



土方「総司、俺はこいつを屯所まで送って行くから暫く頼めるか」



沖田「大丈夫ですよ」



A「一人でもいいのに」



土方「途中倒れたらどうすんだ」



土方の言葉にAは頷くしか出来なかった

はっきり言って、今の状態的には一人で戻れるか危ういのだ


土方に対してAは

「分かった」

と返すと大人しく土方と屯所へ戻ることにした



A「じゃあお先に」



沖田にそう言うとAと土方はその場を後にした







〜帰り道〜

A「どうして、ずっと聞かなかったの??」



土方「何をだ」



A「"あの時"のこと」



Aの言うあの時とは"禁門の変"の時のことだろう



A「帰ったら言うって言ったのに結局言わなかったでしょ」

A「どうして??」



土方「何でだろうな」



そう言って土方は月を見上げる



土方「...仲間を信じてぇって気持ちは誰にでもあんだろ」

土方「それに、あんときのお前は嘘ついてないみてぇだったしな」



A「...そっか」



"仲間"という言葉にAは頬を緩める

常に眉間に皺を寄せ"鬼の副長"と呼ばれている土方だが
それは仲間を守るため、新選組を守るが故の行動なのだろう

小姓の話も、言い出したのは土方だった

新選組と命を懸けて一年を共に過ごしたAと千鶴は
土方にとっては もう新選組の一員であった

新選組を守っていく立場である土方は
常に疑わなければならない

それを隊士達はもちろん、Aも千鶴も十分承知している



A「土方さんは、優しいよね」



土方「何言ってやがんだ、てめぇは」





そう言う土方は言葉とは裏腹に頬に笑みを浮かべていた

漆拾肆) 疑問→←漆拾弐) 事実



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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時

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