壱佰捌) 襲撃・壱 ページ49
A「なんも無いなぁ」
あれから暫く経ったが、
特に異変もなければ誰かが襲撃してくることも無い
暇だとか言っちゃいけないけど...
こうもずっと屋根の上にいると流石に草臥れる
A「ここは異常ないし、少しまわってみようかな」
ザッザッ
A「??」
不意に下の方から足音が聞こえた
A「あれ、千鶴!!」
そこには土方さんに伝令を任された千鶴がいた
ずっと空を見ていたせいか
少ししか経っていないのにも関わらず
「久しぶり」
と声をかけそうになる
雪村「Aちゃん!!」
雪村「屋根の上にいたんだ!! 探してたの!!」
A「ごめんごめん、探しにくかったよね」ハハハ
ヒュンッ
私はそう言ってから千鶴の元に降り立った
A「どうしたの??」
雪村「土方さんから伝令で、次の交代は二ノ刻で三番組の方たちは中庭にまわるようにとのことです」
雪村「それと、次の交代の時にAちゃんは少し休憩を摂るようにって」
A「ありがとう」
A「二ノ刻か...あと少しだね」
雪村「私は向こうの方達にもお伝えしてくるね」
A「頑張ってね!!」
雪村「Aちゃんも!!」
笑顔で手を振ってかけていく千鶴を見たらなんか元気出てきた
二ノ刻まで後少し...
よしっ、休憩まで任務頑張るぞ!!!
あれ、でも向こうってそんなに隊士達居たっけ...??
・
・
・
・
〜千鶴side〜
Aちゃんにも伝えたし、あとは...
「うわっ!!」
そんなことを考えていたら
石につまづいて危うく転びそうになる
「っ...ぃた!!!」
伝令係として走っていたからか意外にも足は悲鳴をあげていた
「今頃、近藤さん達は偉い方々にご挨拶してるのかな...」
「あっ...」
さっき転んだ衝撃で草履の紐が解けていた
「よしっと」
「私もお務め頑張らなくちゃ」
紐を結んで立ち上がった時、心臓が強く脈打った
この感覚...
脳裏に山南さんが羅刹になった時を思い出す
そしてゆっくりと気配の方に目を向けた
「!!」
そこには月光に照らされる三人の人影があった
「あなた達は!!」
金髪の男、赤髪の男、青髪の男がいた
風間「気づいたか」
風間「差程鈍いというわけではなさそうだな」
あの時の人達だ...
私の鼓動は更に早くなる
「なんでここに」
不知火「あぁ?? 俺ら鬼の一族には人がつくる障害なんざ意味をなさねぇんだよ」
"鬼"
Aちゃんと同じっていうこと..??
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時