壱佰参) 近々 ページ44
A「南雲さんは、本当に千鶴に似ていますね」ニコッ
きっと彼女には私が鬼だとはバレてはいない
今は完全に鬼の気を消しているから
力の鍛錬と一緒に他の鍛錬もやっておいて良かった...
この方がきっと動きやすくなるしね
南雲「...」ニコッ
私の言葉に南雲さんは微笑んで千鶴を見た
その表情はどこか懐かしそうで哀しそうだった
雪村「...??」
自分を見つめる南雲さんを千鶴は不思議そうに見つめる
沖田「きっとこの子が女装したらそっくりだと思うな」
雪村「あ、あの...」
千鶴がそう言いかけた時、南雲さんは一歩前にでた
南雲「もっときちんとお礼をしたいのですけど、今は所用がありまして...」
南雲「御無礼ご容赦くださいね」
そう言って南雲さんはお辞儀をする
千鶴の言葉を意図して遮ったような気がするけど...
ザッ
ザッ
南雲さんは再度私達にお辞儀をするとその場を後にした
A「調べる必要がありそうね」ボソッ
沖田「何を??」
A「うわ!! びっくりしたなぁ」
沖田「僕はずっと君の隣にいたけど」
沖田「で、何を調べるの??」
A「えぇ?? そんなこと言ってないよ」
また独り言を言っていたみたい
この癖を治さないと、
いつかほんとに取り返しがつかなくなりそう...
沖田「嘘つくと斬っちゃうよ」
A「それは怖いな〜」
総司の決まり文句を交して再び彼女を見る
彼女は既に遠くを歩いていた
バレたら面倒臭いかもしれないし...
いや絶対面倒くさくなるしバレない方がいいけど...
少し揺さぶるくらいならいいよね
A「ちょっと待ってて」
沖田「待つってどういう...」
私は総司の言葉を他所に脚に力を込める
ビュンッ
沖田「ちょっと!!」
藤堂「A!?」
南雲薫の元まで一気に駆け抜ける
きっと周囲の人達は突風が吹いたとしか思わないだろう
彼女の元に着く少し前に力を収めれば大丈夫だよね??
・
・
・
A「南雲さん」
南雲「あら、先程の...」
南雲さんは少し驚いたように振り返る
A「貴女には近々お会いすることになりそうなので、ご挨拶を」
A「私は、Aです」ニコッ
"礼龍寺"
それは知る者は知っている名前
きっと鬼を束ねる者達は一度は耳にしたことがあるはず
彼女からは強い鬼の気配を感じる
だから、むやみやたらに礼龍寺を名乗らない方が得策だろう
私が主と分かればきっと己を偽るだろうから
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時