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玖拾玖) 鈍感・参 ページ40

A「そんなことないよ」



君がそういった時、何故か僕の心は高鳴った

だけど次の一言でその高鳴りも終わりを告げる



A「どっちも大事だし好きだけど??」

A「ていうか、二人だけじゃなくてみんなのこと大事だよ」



「...はぁ」



僕は呆れと残念感が混じりあった ため息をつく

そういうことを聞いてるんじゃないんだよ...

なんて心の中で突っ込んだ


他の皆を見ても同じような反応をしていた

千鶴ちゃんでさえ呆れ笑いだ



A「みんなして何...??」



当の本人はまったく訳が分からないと首を傾げる



「君ってほんとに....はぁ」



きっと言っても君は分からない

鈍感にも程があるよね
ほんとに



....でも僕は意外にも君を大事に思ってるのかも

って当たり前か、僕の小姓だし



A「だから何!?!?」



「いや、何でもないよ」







沖田は"僕の小姓だから"と納得したようであったが

実際は、
"小姓だから"だけでは説明できないような気持ちがあることに
気がついていた




その気持ちの正体を知るのは

まだ少し先のお話









〜斎藤side〜

A「一くんってやっぱり優しいよね」



そう言って礼龍寺が俺の顔を覗き込んできた時、
俺の心臓は速くなった

この間の買い物といい、さっきのことといい
礼龍寺は他人との距離が近すぎる

この間の買い物の時は腕まで組んでくる始末...

その度に俺の心臓はものすごい速さで脈打っているというのに



沖田「近いよ」



総司は礼龍寺の肩を掴み、俺から引き剥がした



「総司、お前は過剰に反応しすぎだ」



総司に対してそう言ったものの、
距離が近いことに耐性がない俺としてはありがたかった



A「どっちも大事だし好きだけど??」



加えて礼龍寺は鈍感だ

はっきり言ってしまえば、
女隊士云々よりも礼龍寺のこの距離感が
隊の調和を乱す可能性も...

と思うが、結局気分が悪くなるものでもない

俺達を信頼していることを全面に出してくれていることに
気を悪くする者はいなかろう

とはいえこの距離感では俺の隊務に支障が出かねない故、
礼龍寺と少し距離を置く...
若しくは、礼龍寺の行動にも耐性をつけねばならぬな



この後、
斎藤はAと距離を置こうとするが全く通用せず
結局、自分が耐性をつけなければならないのだと
思い知らされるのであった

壱佰) 副組長→←玖拾玖) 鈍感・弐



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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時

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