玖拾玖) 鈍感・壱 ページ38
A「一くんってやっぱり優しいよね」
私がそう言うと同時に一くんの頬がほんのりと赤くなる
その反応を見る度に、純粋だなぁと思う
ガシッ
不意に肩を掴まれる
沖田「近いよ」
A「え、そう??」
A「普通じゃない??」
斎藤「総司、お前は過剰に反応しすぎだ」
沖田「なっ!!」
沖田「一くんこそ顔赤すぎなんじゃない」
斎藤「そ、それはだな...」
おかず戦争が落ち着いたと思ったら
今度は総司と一くんの言い争いが始まった
私を挟んで言い争うのはやめて欲しい...
一くんだけに優しいって言ったのが気に入らないのかな
A「はぁ」
チョンチョン
私は総司の着物を少し引っ張る
沖田「なに」
あからさまに不機嫌な様子で軽く睨むように私を見た
A「総司さ、」
そう言ってから総司の方へ近づいて耳打ちをした
A「総司も優しいと思うよ」ボソッ
沖田「っ!!!」
私の突然の行動に驚いた様子だがすぐにいつもの総司に戻る
沖田「そう」
沖田「でも僕の小姓なのに一くんばかり褒めるなんて君は僕よりも一くんの方がお気に入りみたいだね」
いつものようにニコニコと笑っているが
その笑顔は黒く、口調はぶっきらぼうである
一くんばかりを褒めることに随分とお怒りらしい
まったく...
A「そんなことないよ」
A「どっちも大事だし好きだけど??」
A「ていうか、二人だけじゃなくてみんなのこと大事だよ」
沖田「...はぁ」
総司は先程とは打って変わって呆れたようにため息をつく
なにもおかしなことは言っていないはずなのに
私達三人のやりとりを見ていた他の人も
呆れたようにため息をついたり笑ったりしている
あの千鶴でさえ少し困ったように笑っていた
A「みんなして何...??」
沖田「君ってほんとに...はぁ」
A「だから何!?!?」
沖田「いや、何でもないよ」
そう言って総司はすくめる
なんだよもう...と思いながらも
聞いても理解できない気がするし、聞くのはやめておこう
.....だけど気になるなぁああ
しばらくモヤモヤしながら食事を摂る羽目になった
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時