漆拾) 伝達 ページ4
〜屯所〜
殿丸は鳥の姿になり羽ばたくと、屯所へと急いでいた
殿丸(Aってば何やってるの)
Aが血を吸われているのを感じた殿丸は
さらに羽を大きく羽ばたかせる
殿丸(見えた!!)
屯所へ到着すると、
中庭をクルクルと回って飛びながら大きく息を吸い込む
そして
殿丸「「伝達!!!!」」
屯所に殿丸の声が響き渡った
殿丸「「千鶴、A キケン」」
殿丸「「羅刹 旧前川邸 急ゲ」」
その声を聞いた幹部達は部屋から勢いよく飛び出してくる
中庭を飛びまわりる鳥から放たれた言葉に
全員が驚きの様子を隠せないでいた
鳥は飴細工のように透明で
水面のように月の光を反射させている
その異様な鳥を"Aが召喚させたもの"
であると認知するには そう時間はかからなかった
永倉「旧前川邸って山南さんの...」
藤堂「それに"危険"ってまずいんじゃねぇの??」
沖田「とりあえず早く助けに行った方がいいみたいだね」
土方「おめぇら!! 旧前川邸に行くぞ」
土方の掛け声に、幹部達は旧前川邸へと急いだ
・
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殿丸を先頭に幹部達は屯所を後にし、夜道を駆け抜けていた
原田「おいお前、喋れるのか??」
ふと思い出したかのように原田は殿丸へと問いかけた
殿丸「話セル ケド 今ハ Aノ力ガ弱マッテイルカラ....」
斎藤「弱まっているということは、礼龍寺が危ういということか」
土方「くそっ...急ぐぞ!!」
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A「うぐっ...」
A(とにかく、山南さんを引き剥がして血を吸うのを辞めさせないと)
A(大丈夫A、少しぐらい我慢できるっ)
Aは自分を鼓舞すると、息を吸い込んだ
ベリッ
噛み付かれたところから山南を引き剥がそうとする
バッ
その瞬間、山南はAに噛み付くのをやめて頭を抱えて苦しみ始めた
Aは山南が首元から離れたと同時に距離を取り、
千鶴へ駆け寄った
A「千鶴っ!!」
雪村「Aちゃん...」
千鶴はAの呼び掛けに応じたが、
そのまま気を失ってしまった
A「とりあえず....肉はちょっと剥がれたけど後で止血して抑えれば大丈夫」
そう言ってAは立ち上がり千鶴を廊下へと寝かせると
部屋の戸を閉め、再び山南の元へ近づいた
山南「失敗したようですね」
山南は衝動に苦しみながらも悔しさを滲ませた
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時