玖拾) 義妹・壱 ページ25
屯所に響き渡った声にAは弾かれたように立ち上がる
A「鈴!?」
雪村「鈴って...」
A「さっきまで話してた私の義妹」
全員「!!!」
A「この部屋に鏡は無いし...鈴どこにいるの??」
白鈴「お姉ちゃんこっち!!」
沖田「中庭の池の方じゃない??」
ダダッ
沖田の言葉を聞くと同時にAは池の傍に急ぐ
他の者たちもAの後に続いた
皆が池を覗き込んだ時、
水面はゆらゆらと揺れた
そして暫くすると水は凪いだ
藤堂「おい!!誰かが居るぞ!!?」
白鈴「あれ、お姉ちゃんだけじゃなかったんだ」
沖田「ほんとだ」
近藤「だいぶ幼いようだが...」
A「鈴、遅いよもう...」
A「あの言葉の先、ずっと知りたかったんだから」
驚く幹部たちを横目にAは白鈴に微笑んだ
白鈴「ごめんねお姉ちゃん」
白鈴「じゃあ、少し離れてて」
A「え??わかった」
Aは下ろしていた腰を上げ、数歩後ろに下がった
それに続いて土方や近藤達はAよりも少し後ろへ下がる
ザバァァァアアアアアァァァァン!!!!!!!!
池の中から勢いよく水が噴き出した
いや、噴き出したというよりも
"何かが飛び出してきた"という方が正しいかもしれない
全員-A「!!!!」
突然のできごとにA以外の者達は後ずさりをして身構える
A「え...ちょっと待って嘘でしょ...??」
藤堂「おいA!!危ねぇぞ!!」
土方「A!!とりあえず下がれ!!」
Aは呼び掛けに全く答えずに、ただそこに立っていた
沖田「Aちゃん!!」
沖田はAの手首を掴み後ろに下がるように促す
A「大丈夫だよ」
沖田「Aちゃん??」
A「ほら」
そう言って空を指さす
沖田「??」
Aが指さす方を沖田は目で追った
その様子を見た他の者達も視線を空へと向ける
白鈴「お姉ちゃん!!」
先程まで池に映っていた少女が空から落ちてくる
原田「おいおい落ちてきてんじゃねぇかあれ!?!?」
そう言うと原田は落ちてくる少女を受け止めようと前に出た
ファサッ
落ちてきた少女は原田の腕の中にすっぽりと収まる
原田「...お前...人間か??」
空から落ちてきたにしては
腕に全くもって重力が加わらなかったことに
原田は驚いた様子だった
A「鈴、自分一人で降りれたでしょ??」
そう言って原田に抱えられる白鈴の顔を覗き込んだ
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時