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陸拾玖) 衝撃 ページ3

A「この先って....」



そう言ったAの前に一軒の建物が見える

それは山南が研究所として使用している"旧前川邸"であった



A「なんで山南さんのところに」

A「殿丸、ここで合ってるんだよね??」



殿丸「うん 気配の跡が中に続いてる」



A「分かった」

A「とりあえず、中の様子を見てから.....」



ドクンッ



Aがそう言いかけた時、嫌な気配を感じる

今度は"予感"ではなく"気配"であった



A「まさかっ....!!」



その気配はAが新選組に来るきっかけとなった
あの"羅刹"だった

Aは昼間の出来事を思い出す

山南が伊東の発言から受けた心の傷は、
他者にとっては理解し難いほどに苦痛なものであっただろう


(もし、その傷で山南さんが"あれ"に手を伸ばしていたら...)



A「殿丸!! とにかく中へ!!」



殿丸「分かった!!」







ダダダッ


旧前川邸に入るとAは千鶴の元へ急ぐ



殿丸「ここを真っ直ぐ三つ目の部屋だよ!!」



A「ありがとう」

A「あとは何とかするから、殿丸は土方さん達に伝えてきて!!」

A「分かるよね??」



殿丸「貴方とずっと一緒にいたんだから分かるよ」

殿丸「任せて!!」



そう言うと
Aは千鶴の元へ、殿丸は屯所へ全速力で向かっていった







〜旧前川邸〜

殿丸と分かれたあと、Aはすぐに部屋に辿り着いた



スパンッ



勢いよく戸を開ける



A「うそっ....」



そこには千鶴の首を絞める羅刹となった山南がいた

信じたくない光景だった
"白髪に赤眼"
どう見ても山南は羅刹になっていた



A「千鶴!!!!」



Aは一瞬動揺したが、
すぐに気を取り直し千鶴の傍へ駆けつける


ググッ


千鶴の首を絞める山南の手をなんとか引き剥がそうとする

その瞬間



ガブリッ



A「いっ.....!!!」



千鶴の首から手を離したかと思うと
今度はAの首元へ山南が噛み付いた



雪村「Aちゃん!!」



Aは噛まれている場所から血が吸われていくのを感じる



A「山南...さんっ....」



きっと以前のAであれば、
問答無用で斬ることができただろう

しかし、
この一年を共に過ごしてきた仲間を斬ることなど
到底できなかった



鬼であるAも血は無限では無い



A(あぁ、早くみんな来て...)



視界がぼやけ始める中、
Aは殿丸と土方達の到着を待った

漆拾) 伝達→←陸拾捌) 殿丸



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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時

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