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捌拾陸) お礼 ページ20

A「良いんですか...??帯も頂いた上に値段も引いて頂いたのに」



店主「いいのよ、受け取ってちょうだい」



A「ありがとうございます」



店主「またいつでもいらっしゃい」



そう言って再度深々とお辞儀をすると、
二人は店を後にした







斎藤「店の店主とだいぶ親しくなったようだな」



A「うん!!あの人は凄く温かい人だから」



にこやかに笑うAに斎藤も頬を緩めた



斎藤「そうか」



町民1「あっ!!お嬢ちゃん!!」

町民1「これ、この間のお礼だ!!受け取ってくれ」



ふと声をかけたのは野菜売りの男だった



A「あっ、この間の野菜の!!」



町民1「そうそう、この間は助かった!!」

町民1「女の子なのに力強くてな!!」



そう言って豪快に笑う男

それに引き寄せられたかのように他の町民もやって来る



町民2「貴女この間の!! 私もお礼をしたいからお店寄っておくれ!!」

町民3「おお!!嬢ちゃんじゃねぇか!!これはこの間のお礼だ!!」



その後もAが巡察で助けたであろう町民がこぞって
お礼を渡した



斎藤「これは一体...」

斎藤「総司が礼龍寺は巡察の際、度々姿を消すと言っていたがまさか....」



A「困ってたらほっとけないじゃん」



斎藤「...礼龍寺らしいな」フッ



A「とりあえず、一くん持つの手伝ってくれない??」



斎藤「あぁ」



既にAの両手で抱えきれない程の
野菜や米が渡されていた



町民4「こりゃ皆嬢ちゃんに助けられたんだな」ハハハッ

町民5「べっぴんさんだしなぁ!!」



A「そんなそんな、こんなにお礼を頂いたらお互い様ですよ」ニコッ



町民2「またまた上手いこと言って〜」フフッ







暫くして怒涛のお返し祭りが終わった



斎藤「礼龍寺は人との付き合いが上手いのだな」



A「そう??でも他人と関わるのは好きなのかも」

A「とりあえず早く屯所まで戻ろう」

A「腕がちぎれそう...」



斎藤「そうだな」



重さに唸るAを見た斎藤は口元を緩める



斎藤(礼龍寺の人当たりの良さに、俺達も助けられてるのだろうな)



A「さすがに重い...」



斎藤「俺が少し持とう」



そう言うと斎藤はAの持つ荷物を二つ程
自分の腕にぶら下げた



A「ありがとう」

A「本当に皆して優しいんだから〜」



満足気に笑うAは足取りも軽やかだ

Aの隣を歩く斎藤もまた、心なしか足取りが軽くなった

捌拾漆) ご馳走→←捌拾伍) 簪



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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時

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