捌拾弐) 勘違い ページ16
A「ねぇ一くん」ボソッ
しばらく歩いた時、Aは斎藤に耳打ちをした
斎藤「なんだ」
A「さっきから凄く人に見られるんだけど??」
A「私達なんかおかしいかな??」
ムギュ
斎藤の腕に何かが当たる
そしてその感触がした方へ視線を向かわせた
斎藤「...!!」
斎藤「...礼龍寺、離れろ」
何故か顔を赤くした斎藤はAから顔を背けた
A「え??なんでよ私何かした??」
斎藤のおかしな様子にAはさらに距離を詰めて聞く
斎藤「だからその....」
A「その...???」
??「あれ、二人ともこんなところで何してるの」
不意に聞き覚えのある声が聞こえる
A「あれ、総司」
沖田「巡察で二人を見かけたから声をかけたんだけど」
A「そうなんだ」
A「私達は今取り込み中」
沖田「なにどういうこと」
斎藤は未だ目を下に向けたままである
A(とりあえず休憩した方がいいのかな)
A「だから!! 取り込み中なの!!」
A「ね??一くん」
Aはそう言うと斎藤と腕を組んだ
ムギュ
斎藤「....」
斎藤の顔はさらに赤くなり
そのうち茹でだこになりそうであった
沖田「...あのさ、君それ無意識でやってるの??」
A「何を??」
沖田「そんなに距離が近いと勘違いされるよ」
沖田は不機嫌そうに言う
A「あっ、ごめんね一くん」
Aは慌てて斎藤から離れた
斎藤「俺は、断じて勘違いなどしていない」
A「分かってるって〜」
A「嫌だったなら謝るし...」
斎藤「....嫌では無いが........」
沖田「一くんてむっつりだよね」
斎藤「なっ....!!!」
沖田「じゃあね、お二人さん楽しんで」
沖田は不機嫌そうな表情のまま巡察へと戻って行った
A「....よく分からないけど、一くんてむっつりなの??」
斎藤「断じて違う!!!!!!!!!!」
・
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斎藤「ここだ」
あの後、斎藤はいつにも増して口数が減っていた
Aは原因はきっと"むっつり"なのかと聞いたことだろうと
少し反省していた
が、本人はそんなことよりも
なかなか鳴り止まない心臓を静めるのに必死なだけであった
A「あれ、ここって...」
店主「あらあら斎藤さん、いらっしゃいませ」
店主「それに...前に来てくれた方ね!!」
そこは以前沖田と袴を買いに訪れた店であった
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時