捌拾) あの時の ページ14
土方「だが...」
A「??」
土方が沖田と言い争うのを辞めて切り出した
土方「屯所移転の件、冗談では済まされなくなったな」
土方「山南さんを伊東派の目から隠すには広い屯所が必要だ」
A「確かに、今のままだとどこかで鉢合わせる可能性があるね」
土方「あぁ今のままでは狭すぎる」
それから半月後、
屯所は最初提案していた"西本願寺"に移されることとなった
・
・
・
・
A「土方さ〜ん」
屯所が移されてから数日経った日
Aは土方の部屋を訪れていた
土方「Aか、入れ」
A「お邪魔します」
土方「どした」
相変わらず仕事が多いのか、
Aが部屋へ来る時は必ず筆を走らせていた
A「...ご褒美をください」
土方「...は??」
A「池田屋の事件の後に貰うはずだったご褒美もらってない!!」
土方はギクリとした様子で筆をとめた
A「私お祭り見れなかったし〜」
Aは不貞腐れたように口を尖らせる
A「屯所も移って落ち着いたし...ね??」
A「お願い〜〜〜〜〜」
手のひらをスリスリと擦りながら土方の傍まで近づく
キラキラキラ
土方「...」
キラキラキラ
土方「.......」
キラキラキラ
土方「あぁもう わぁったよ!!」
A「やった〜!!」
結局、目をキラキラと輝かせながら懇願するAに
土方が折れる形となった
土方「で、何が欲しいんだ??」
A「お金!!」ニカッ
土方「おめぇな...」
Aの返答に土方は拳を握りしめた
その拳はAめがけて今にも放たれそうだ
A「き、着物!!」
土方「着物??」
A「そう!!着物を買うお金が欲しいの!!」
A「なんかもう女だってバレてるみたいだし、私的にも着物の方が動きやすいから」
A「それに最近は私が女だって知ってる街の人もいるし...」
土方「そうなら最初からそう言えよ」ハァ
土方「ったく、お前は言葉が足りねぇんだよ」
A「へへっ、ごめんなさい」
土方「買う時に、請求は新選組にするように伝えろ」
A「ありがとう!!」
A「早速一くんの所行ってこよっと」
土方「斎藤と行くのか??」
A「そうですよ、一くん普通に許可してくれたんだ〜」
土方「そうか、斎藤と行くなら安心だな」
A「じゃあいってきます」
土方「気をつけろよ」
今日は快晴、散歩日和だ
19人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時