漆拾玖) いつも通り ページ13
山南「ということは、礼龍寺くんの血で羅刹の副作用を抑えられると...??」
A「まだ可能性の話ですけどね」
A「昨日の様子を見ただけだと断定は出来かねますが」
土方「そりゃ、今後の研究には役立つだろうが...」
沖田「Aちゃんの血が鍵になるっていうことは、君の血を採らなきゃいけないってことになるけど」
そう言うと沖田はAにチラリと視線をやった
A「私はいいけど??」
近藤「いかんいかん!!」
近藤「女子を刀で傷つけるなど!!」
A「近藤さん、血を採るには他の方法もありますよ」
近藤「それは本当か!?!?」
A「あれ、ここにいるみんな もしかして見たことないの??」
A「注射とかで使う針を使うんだよ」
山南「なるほど、体内に刺して入れることが出来るのであれば中から外へも可能という訳ですね」
A「そうそう」
A「でも私はそんなめんどくさい事は嫌なので、刀で斬った方がいいですね」
沖田「斬るなら僕が斬ってあげようか??」
A「遠慮しとくよ、総司に頼んだら命まで持ってかれそうだから」
沖田「えぇ〜人聞き悪いなぁ」
A「良いですか??近藤さん」
A「もし駄目って言ったら、研究に協力しないかもしれませんよ」ニコッ
近藤「...うむ、分かった」
半ば強引に近藤を説得したA
その様子を他三人は
「やれやれ」
と呆れた様子でため息をついた
山南「貴方は一度決めたら曲げませんからね」
山南「でも、協力して頂けるのはありがたい」
A「良いんですよ、血で良ければ幾らでも」ニカッ
Aは少年のように笑って見せた
沖田「とか言って、Aちゃんはいつも失血死しそうになってるけどね」
土方「おめぇはなんでも一人でやろうとしすぎなんだよ」
A「えぇ、それ土方さんにだけは言われたく無いんですけどぉ〜」
沖田「土方さんはいいんだよ」
土方「おいそれどういうことだ!!」
沖田「そのままですよ〜」
山南「全くほんとにあなた達は...」
そう言って微笑んだ山南は
"いつも通り"の山南に戻っていた
A(良かった...)
土方と沖田の言い争い、それを止める近藤を横目に
Aは安堵したように微笑んだ山南を見つめた
その眼差しはとても温かく優しいものだった
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時