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漆拾捌) 可能性 ページ12

ススッ



部屋には山南が座っていた

まるで何も変わらずいつも通り過ごすかのように



近藤「山南さん、起きてていいのか」



山南「少し気だるいようですが、これも薬の副作用でしょう」

山南「あの薬を飲んでしまうと日中の活動が困難になりますから」



沖田「それってつまり...」



山南「私はもう人間ではありません」



近藤「だが、生きていてくれて良かった!!」

近藤「それだけで十分だろ!!」



沖田「それで腕は治ったんですか??」



山南「...治っているようですね、少なくとも不便は無い」



沖田「でも昼間は動けないんでしょ??」

沖田「そんな状態で隊務に参加出来るんですか??」



山南「私は死んだことにすればいい」



A「なっ...!!」



山南「これから私は薬の成功例として"新撰組"を束ねていこうと思っています」

山南「我々は薬の存在を伏せるよう幕府から命じられている」

山南「私さえ死んだことにすれば、薬の存在は隠し通せます」

山南「薬から副作用が消えるのであれば、それを使わない手は無いでしょう」



近藤「それしかないか...」



A「もし、本当に副作用が消える可能性があるとしたら....どうします??」



山南「まさか...」



近藤「ど、どういうことだ」



A「山南さん、昨日羅刹になった後のことを覚えてますか??」



山南「それが途切れ途切れの記憶しかないんです」



A「山南さんが千鶴の首を絞めているところを私が止めに入った時、私の首元に噛みつきました」



山南「君に....噛みついた??」



沖田「それで昨日は血まみれだったわけ??」



A「そう。でももう治ったし罪悪感とか感じないで下さいね」ハハッ



Aはヘラヘラと笑ったがすぐに真面目な表情に戻る



A「その後、急に噛みつくのをやめたと思ったら一時的だったけど自我を取り戻してた」



山南「えぇ、そこは覚えています。君に早く逃げなさいと言ったのも覚えています」



A「その時、山南さんの毛先が黒かったんです」

A「羅刹へ変わる時、髪色は生え際から変わります」

A「そして人間の姿に戻る時は..."毛先から"色が変わります」



土方「おい、まさか...」



A「そう、もしかしたら私の血を飲んだことで人間の姿に戻り始めていた可能性があります」

A「もしかしたら、この特殊な力と関係があるかもしれないですね」

漆拾玖) いつも通り→←漆拾漆) 風邪



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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時

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