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陸拾捌) 殿丸 ページ2

町を赤い月が照らしていた

赤い月は月の国において、古来より不吉の象徴とされてきた

特に"満月の赤月"は特別だ

大きく赤い満月の日は必ずと言って良い程、
災いや不幸が訪れる



A「赤月...」



千鶴が居ない状況での赤月

それに加えてAを襲う嫌な予感



A「千鶴を探さなきゃ」



Aは何かに焦らせられるように素早く着替えた

そして徐に手を見つめた



A「今なら出来るかも」



そう言うと力を手に集中させた



A「おいで、殿丸(トノマル)」



Aがそう呼びかけると、手の上で水が渦を巻く

そして渦巻く水は人の形になった



殿丸「もう!! 遅いじゃないか!!」



A「ごめんごめん」



そう言ってAが笑いかける精霊は"殿丸"といった

腰に手を当てて怒った様子でAに近づく



殿丸「私の事、忘れちゃったかと思ったよ!!」



A「そんなわけないでしょ」

A「それに、力を奪われて召喚できなかったの」



殿丸「まぁ、そうだとは思ったけど」



力によって召喚される精霊は、
常に召喚者の中に存在しているため
力の流れは全て"お見通し"というわけだ

多くの力を使って呼び出す精霊は戦闘力も優れており
自我を持つことから、力を持つ者達は
自分との親和性が最も高い精霊を呼び出す

つまり、
精霊を召喚している間は自分の力を使いながらも
精霊に攻撃してもらうことが可能なのだ



A「分かってるならそんなに怒らないでよ」



そう言って頬を膨らませるA



殿丸「それより、何かあったから私を呼び出したんじゃないの??」



Aは殿丸の言葉にハッとなった



A「それがね、嫌な予感がするの」

A「それに外を見たら赤い満月が出てるし...」



殿丸「貴方の感は当たるから困っちゃうよ」 ハァ



A「とにかく、千鶴の居場所を教えて欲しいの」



殿丸「はいよ」



殿丸は鳥の姿になってAの方にとまった



キィイィィィイイイイィン



A「どう??」

殿丸「うん見えた」



殿丸「裏口に続いてる」



A「分かった」

A「そのまま道案内よろしく」



殿丸「ほんと、人使い荒いなぁ」



呆れたように呟く殿丸を横目に
Aは誰にも気づかれぬように静かに部屋から出ると
裏口へと急いだ



殿丸「そこの角を左に曲がって次の角を右」

A「おっけい」



先を急ぐAだが、
向かう先に待ち受けていたのは衝撃であり
悲しい事実であった

陸拾玖) 衝撃→←登場人物(オリジナル)



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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月21日 13時

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