参拾捌) 池田屋事件・捌 ページ9
原田「お前あの時のっ...!!」
A「左之さんまで!!!!」
黒蓮「おっ、いいものはっけ〜ん」
A「!!」
黒蓮の言葉にAは我に返る
そして、黒蓮の方へと視線を向けると
力で具現化された氷の剣が黒蓮の周りに浮いている
A(まずいっ!!)
A「二人とも早く逃げて!!」
原田は我に返ったが、
千鶴は呆気にとられていた
黒蓮の剣が二人へと狙いを定める
シュンッ
四本の剣は凄まじい速さで二人の元へと飛んでいく
原田は千鶴を庇うようにして背を向けた
ドスッ ドスッ ドスッドスッ
原田「??」
原田(痛みがねぇ)
ゆっくりと目を開ける
ボタタッ
目の前には大きく手を広げたAが立っていた
原田「おいA!!」
雪村「Aちゃんっ!! ....私っ」
黒蓮の剣はAの肩、腹、大腿、腕へと刺さっていた
A「いいから、早く平助を連れて一階に...」
雪村「でもっ」
A「「早く!!!!!!!!」」
原田「分かった」
原田「千鶴!! 平助を下まで連れてくぞ!!」
雪村「....はい」
・
・
・
黒蓮「ほんとにつまらないねA」
黒蓮「正義の主人公のつもり??」
A「そんなことない」
A「仲間を護って何が悪いの」
Aの言葉を聞き、黒蓮は軽蔑の眼差しを向ける
黒蓮「仲間仲間って、信用しても結局は裏切られるだけ」
A「そんなことない!!」
黒蓮「チッ ウザイなぁ」
黒蓮「遊ぶ気分じゃなくなった」
そう言うと黒蓮は消えた
黒蓮が消えると共に身体に突き刺さっていた剣も消える
A「はぁ....」
通常の外傷であれば即治癒するが、
"通常の外傷では無い場合"は治癒が遅くなる
加えて、強い力となれば尚更だった
A「血がなかなか止まらないなぁ」
A「総司にも平助にも怪我させちゃった」
Aの目には涙が滲む
ドタドタドタ
階段を駆け上がる音が聞こえる
原田「A!!!!」
雪村「Aちゃん!!」
斎藤「礼龍寺!!」
次々とAの元に駆けつけた
A「ちょっと血が止まらないんだ」
Aはヘラヘラと笑う
雪村「Aちゃん!! 今手当するから!!」
千鶴がAへ駆け寄る
A「いつか止まるから大丈夫...」
ドサリ
そう言いかけた時、Aの身体は床へと崩れ落ちた
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時