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陸拾伍) 瓦解 ページ48

原田「それにしても伊東の野郎、弁が立つだけに腹が立つ」



永倉「気取ってるっつうか、人を見下してるっつうか」

永倉「まぁ、昼間のAちゃんで少しスカッとしたけどな」



A「あいつだけは本当に嫌いなんだって!!」

A「手が出なかっただけでも褒めて欲しいよ」



沖田「僕も好きじゃないな」

沖田「相当な剣の使い手だってことは認めるけどね」



天才的な刀の使い手である沖田が認めるということは
事実、伊東は剣客なのだろう



土方「気に食わねぇ...」



口を閉じ続けていた土方が不機嫌そうに言った



沖田「じゃあ、土方さんが返品してきてくださいよ」

沖田「新選組にこんなの要りませんって」



A「確かに!! 返品!!返品!!」



そう言ってAは手すりから身を乗り出す



土方「なに思いついたようにはしゃいでやがる」

土方「近藤さんが許可するわけねぇだろ、すっかり伊東さんに心酔してるみてぇだしなぁ」



沖田「もぉ〜、役に立たないひとだなぁ」

沖田「無茶を通すのが鬼副長の仕事でしょうに」



土方「だったら総司、てめぇが副長やれ」



土方の言葉に沖田はからからと笑った



沖田「嫌ですよそんな面倒臭い」



そう言うと再び沖田の表情は暗くなった

"近藤さんが心酔している"
"副長でもどうすることも出来ない"

このことは、
新選組から伊東を追い出すことは出来ないということを
暗示させた



雪村「斎藤さんも、伊東さんは苦手なんですか??」



終始無言であった斎藤に対して、千鶴は声をかける

斎藤は千鶴へ視線を向けた後静かに口を開いた



斎藤「様々な考えを持つ者が所属してこそ組織は広がりを見せるものだ」

斎藤「しかし、無理な多様化を進めれば内部から瓦解することもある」



A「確かに...」



伊東を新選組へ招いたことで、
伊東に対して幹部や副長までも嫌悪感を抱いている

この現実で、
その場にいる者たちは組織が"瓦解"してしまう
という未来を意識せざるを得なかった







土方「さて、そろそろ戻るか」



土方の言葉で解散となった

話し始めは夕日が当たりを橙色に染めあげていたが、
いつの間にか日は沈みかけ薄暗くなっていた



それぞれが解散していく中、Aは斎藤を呼び止めた



斎藤「礼龍寺か、どうした」



A「今度の休みの日、何か予定ある??」



斎藤「特にないが...」



A「じゃあ、少し付き合って欲しいんだけど...」

陸拾陸) 鏡→←陸拾肆) 冗談



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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時

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