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陸拾弐) 西本願寺 ページ45

近藤「また、隊士が増える予定だ」

近藤「やはり早急に新しい屯所を探した方がいいだろう」



近藤は部屋に集まった幹部達に向かって言った



永倉「雑魚寝している連中もかなり辛そうだしな」

沖田「だけど僕達新選組を受け入れてくれる場所なんて、どこか心当たりでもあるんですか」



近藤「うーん...あれば苦労せんのだが...」



A「失礼します」

A「お茶をお持ちしました」



Aがお茶を持って部屋へ現れた



近藤「おぉ!!ありがたい!!」



伊東「あら、貴方この間の」



Aは伊東に対しにこりと笑って会釈をすると
永倉の後ろへと腰を下ろした



土方「西本願寺」



Aが腰を下ろしたと同時に土方が口を開く



全員の意識がAから土方へ移った



山南「西本願寺は長州をはじめとする不逞浪士の隠れ蓑」

山南「我々を素直に受け入れるとは考えられません」



土方「そんなことはどうだっていい」

土方「寺と坊さんをダシにして今まで好き勝手してきたのは長州だ」

土方「いざとなれば力ずくでも承諾させる」



土方の言葉に山南は眉間に皺を寄せた



山南「僧侶の動きを武力で押さえつけるなど見苦しいと思いませんか」



永倉「まぁ、確かにそうだな」

永倉「山南さんの言う通りかもな」



山南の意見に永倉が同意した



近藤「歳の意見は最もだが、山南くんの考えも一理あるな」



二つに割れた意見に近藤は悩んでいる様子であった



伊東「西本願寺、よろしいんじゃないですか??」

伊東「私も色々調べましたが屯所としての立地も条件も良い」

伊東「土方君の仰るように我々が寺を拠点とすることで、長州封じにもなりますしね」



A(不逞浪士のたまり場ならあえてその場所を拠点とするのもありだね)



斎藤「確かに、長州は身を隠す場所を一つ失うことになる」

原田「まぁ坊主共は嫌がるだろうが、西本願寺からならいざと言う時に動きやすいな」



A(幹部も意外と肯定的だな...これは決まりかな)



永倉「そりゃそうだが...」



永倉ははっきりも頷けない様子であった

近藤もまた決めかねた様子で眉間の皺をさらに深くした



山南「しかし、正義を欠いた大義などいずれ綻びが出ます」



伊東「山南さんは、相変わらず大変に考えの深い方ですわね」







山南の言葉に伊東が嫌味のように言い放った

陸拾参) 堪忍袋→←陸拾壱) 女隊士



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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時

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