伍拾捌) 接触・壱 ページ40
〜勝手場〜
A｢千鶴!! ごめん遅くなった｣
雪村｢Aちゃん!!｣
雪村｢大丈夫だよ 私もさっき来たばかりだから｣
A｢私も手伝うよ｣
雪村｢ありがとう｣
雪村｢さっき土方さんが来て、燗が付いたら席に運ぶようにって｣
A｢分かった 燗が付いたら私が持っていくよ｣
A｢なんたって今日は女中だからね｣
そしてAは
｢ふふんっ｣
と言うと鼻の下を指で擦った
雪村｢ごめんね、私が水をこぼしたばっかりに...｣
A｢大丈夫!! 正直、袴よりも着物の方が動きやすいし｣
雪村｢...ありがとう｣
A｢そろそろ大丈夫そうかな??｣
Aは燗に手を伸ばす
A｢あちっ｣
雪村｢大丈夫!?｣
A｢うん大丈夫｣ｱﾊﾊ...
A｢じゃあ持っていくね｣
雪村｢うんお願いします!!｣
・
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・
A｢失礼致します｣
ｽｯ
Aは静かに戸を開けた
A｢燗が付きましたので、お持ち致しました｣
近藤｢あぁ、君か!! ありがとう｣
Aは近藤に微笑み軽く会釈をすると、
それぞれの膳に燗を置いた
A｢それでは失礼致します｣
A｢また後程お伺い致します｣
近藤｢頼んだぞ!!｣
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・
・
〜数刻後〜
雪村｢失礼します｣
雪村｢空いた器を下げにまいりました｣
近藤｢おお!! すまんな｣
雪村｢いえ｣
そう言って、千鶴は手際よく器を下げる
その様子をある男が意味ありげな様子でじっと見つめていた
・
・
・
・
ｶﾁｬｶﾁｬ
Aと千鶴は空いた燗を中庭で洗っていた
??｢もし｣
A｢!?｣
突然の気配にAは急いで千鶴を背後へと隠す
振り返った先には伊東が居た
伊東｢そんなに警戒なさらないで｣
伊東｢それよりも、どうして貴女方のような方がここにいらっしゃるんです??｣
伊東｢貴方は良いとして...特に貴方｣
そう言って千鶴へと視線を向ける
A(男装がバレてる...)
A(下手なこと言えないしどうしよう)
Aは"女中"として居るが、千鶴は男装をした女
それは千鶴が女であると分かった瞬間、
何か裏があると考えるのが普通である
A(勘がいいのか、洞察力が凄いのか...)
A(とにかく女中としている限りは下手に手出しはできないし)
A(千鶴は...)
Aは千鶴に視線を向ける
千鶴は予想外の出来事に明らかに動揺しており
言葉に詰まっていた
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作者名：雪姫華-yukika- | 作成日時：2024年2月6日 15時
