伍拾漆) 女中 ページ39
A｢とは言っても....｣
A｢やっぱりちゃんと言いに行った方がいいよね｣
そう言うとAは土方の部屋へと向かった
・
・
・
・
A｢土方さ〜ん、居る??｣
土方｢Aか 入れ｣
A｢あの〜....｣
土方｢ってお前、何で着物なんだ｣
土方は走らせていた筆を止めてAへ目を向けたかと思うと眉間に皺を寄せてAを睨んだ
A｢それが、かくかくしかじかで...｣
土方｢なるほどな｣
土方｢だからってその格好で屯所を歩き回るな｣
土方｢...だが、今日に限って人手が足りなくてな｣
土方｢幹部に茶を出させる訳には行かねぇし...｣
そう言うと
｢どうしたものか｣
と眉間に寄せた皺を更に深くした
A｢女中っていうていで居るのはどう??｣
A｢そしたらお茶も出せるし色々と融通効くんじゃないかな｣
今の季節が真夏であれば濡れた袴もすぐ乾くだろうが、
秋になれば風も冷たく乾くのに時間がかかる
それを考えれば袴が乾くのを待つのではなく、
"女中"として仕事をこなす方が効率が良いだろう
土方｢お前、上手くできるか??｣
A｢女中としての潜入は経験あるし、余裕だよ｣
そう言うとAは手を前に出し親指を立てて見せた
土方｢しょうがねぇ、今はそれで行くしかねぇな｣
土方｢とにかく余計なことはするな｣
土方｢それと千鶴をしっかり見てやってくれ、ヘマしないようにな｣
A｢はーい｣
A｢あの伊東って人、勘が鋭そうだし気をつけて見ておくよ｣
土方｢あぁ、頼んだ｣
A｢じゃあ、少し身だしなみ整えてくるよ｣
土方｢それが終わったら、広間に熱燗を運んでくれ｣
土方｢千鶴にも伝えておく｣
A｢わかりました｣
ｽｯ
土方へ返事を返すとAは自室へと戻って言った
土方｢.....女中で潜入って姫がやるもんなのか...??｣
・
・
・
・
〜Aside〜
｢化粧は薄く紅も薄らと....髪は緩くまとめて...｣
土方さんの部屋を出て自室へと戻ってきた
鏡に映る自分の顔と暫く睨めっこする
(よかった化粧道具は持ってきてて)
(まぁ、これがあればどこにでも潜めるしね)
Aは今まで遊郭、女中、暗殺者など様々な者に扮してきた
それは、王と妃を守るために王から指示されたことである
(あんまり華美だと女中じゃ無くなっちゃうし...)
｢よしっ、千鶴の所に急がないと｣
そう言ってAは千鶴の元へと急いだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪姫華-yukika- | 作成日時：2024年2月6日 15時
