伍拾陸) 愛想 ページ38
A「それで、何見てたの??」
斎藤「あれだ」
斎藤が視線を向けた先へA目を向ける
そこには薄紫色の袴を着た男が居た
A「誰?? あれ」
永倉「伊東甲子太郎だよ」
A「伊東甲子太郎ねぇ...でも、剣の腕は立ちそうだね」
沖田「一刀流の免許皆伝らしいよ」
A「ふーん。面倒事を起こさないといいけど」
山南「伊東さんは学識も高く弁舌に優れた方ですよ」
厄介そうな奴が来たという反応を見せるAの背後から
山南が話しかけた
原田「へぇ...」
原田「あっじゃあ山南さんは知りあi...」
原田が話しかけようとすると
山南はその場を去っていってしまった
A「私ここに来てから一年も経ってないけど、山南さんどんどん愛想無くなってく気がする...」
永倉「あぁ、ここ最近特にな」
原田「ここんとこ滅多に話もしねぇし...まぁ元々無駄口叩くような人じゃねぇけど」
山南の様子にその場にいた幹部達は表情が暗くなった
原田「てか、お前何で着物なんだ??」
永倉「確かに、土方さんにバレたら怒られるぞ」
A「それが、洗濯してたら桶の水こぼしちゃって...」
A「袴は一着しか持ってないから、土方さんに相談しようと思って来たんだよね」
沖田「なるほどねぇ、でも他の隊士達にバレると面倒だし君は部屋で待機してなよ」
斎藤「副長には俺達から伝えておこう」
A「そうするよ」
Aはそう言うと自分の部屋へと戻って行った
・
・
・
原田「でも、バレてるよなぁ他の隊士に」
永倉「あぁ、この間俺のとこの隊士がAの話してたけど明らかに分かってたぜ」
沖田「僕のとこの隊士も居たよ わかってる人」
原田「ありゃ誤魔化せねぇよなぁ...」
斎藤「あそこまで目立っていては男装の意味も無いに等しい」
永倉「まぁ、女にとっても男にとっても必要だもんな」
永倉はそう言うとウンウンと頷く
沖田「新八さん、"男も"は余計じゃない??」
原田「下心丸見えだぜ」
永倉「ば、ばか言ってんな!! 俺はそういう意味で言ってねぇよ」
永倉「な?? 斎藤」
斎藤「俺に話を振るな」
沖田「でも、あの子が女の子だって広まるのは良くないよね」
原田「あぁ、よからぬ事を考える奴が出るかもしれないからな」
色々な意味で目立つAの存在に
四人は溜息をつくのであった
・
・
・
・
A「ヘックシュ」
A「誰か噂してる...?? 訳ないか」
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時