伍拾伍) 握手 ページ37
元治元年 秋
日の沈みが早くなった
季節は、夏が終わり秋を迎えようとしていた
〜江戸〜
近藤は江戸に出向き、伊東と対談していた
異敵の脅威差し迫る中、
互いに手を組み協力し合って国を守るべきだ
互いの意見が合致したことにより、
新選組と伊東は手を組むことが決定された
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〜旧前川邸〜
カチャリ
カタッ カチャリ
日が沈み切った頃、山南は旧前川邸に居た
沖田「山南さん、まだ起きてるんですか??」
研究室の部屋の外から声をかけたのは沖田であった
山南「沖田くんですか、入って構いませんよ」
沖田「熱心ですねぇ」
沖田「研究のために身体壊しちゃ、元も子もないのに」
山南「ご心配なく 身体ならとっくに壊れていますから」
山南「それよりも見てください、改良した変若水です」
山南「理論的にはこれで副作用が抑えられるはずなんです」
山南が手に持ったのは硝子の容器に入った赤い液体である
山南はそれを"変若水"と呼んだ
沖田「試す気なんですか??」
沖田「自信があるなら止めないですけど」
そう言って沖田は腰を下ろした
山南「どうしたものかと悩んでいるところです」
沖田「まぁ、失敗したら僕が斬ってあげますよ」
山南は沖田の発言に
「それは心強い」
と言って笑った
沖田「そんなことより、どうです?? 一杯」
沖田の右手には酒瓶が握られていた
山南「酒ですか、その方が身体には良さそうですね」
旧前川邸の障子には、酒を酌み交わす二人の影が
暫く映っていた
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元治元年 十月
木々の葉が赤や黄色へと色を変える頃、
伊東は新選組の屯所に来ていた
屯所の門では
伊東と近藤が和やかな雰囲気で握手を交わしている
近藤「伊東殿!! お待ちしておりましたぞ!!」
伊東「これは局長自らのお出迎え痛み入ります」
その様子を幹部たちは影から見ていた
永倉「あれが伊東甲子太郎...一刀流の免許皆伝らしい」
斎藤「伊東さんは尊王攘夷派の人間と聞いていたが、よく新選組に名を連ねる気になったものだな」
原田「長州の奴らと同じ考えってことか...そんな人間が俺らと上手くやれるのかねぇ」
A「なにみてるの〜??」
原田「うおっ!! なんだAかよ...」
沖田「君ってほんとに神出鬼没だよね」
A「普通にしてるだけなんだけど...」 ピキッ
Aは幹部達の反応に、ピキリとイラつきながら
頬を引き攣らせたのだった
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時