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伍拾弐) 寝床・壱 ページ33

沖田「う..ん...」



パチッ



沖田「うわ、変な時間に目覚めちゃった」



今は丑の刻

「変な時間に目が覚めた」という沖田の発言にも納得できる



沖田「少し風に当たろうかな」



寝汗をかいていることに気がついた沖田は
風に当たるため部屋の外へと出た



沖田「綺麗だなぁ」



満月を見上げながら言った

せっかく風に当たるなら...と月がよく見える中庭へと向かう



沖田「あっ」



沖田の目線の先には縁側に横たわるAが居た



沖田「ふふっ」



約一日ぶりの再会に笑みがこぼれた



沖田「Aちゃん」



A「....」



沖田の呼び掛けにAは瞳を閉じたままである



沖田「...寝てるの??」



そう言うと寝転んだAの顔を覗き込む

頭の下には布が引いてあり、
髪の毛を乾かしていた途中であると感じさせる



スッ



優しくAの髪を撫でた



沖田「綺麗...」

沖田「でもまだ濡れてる」



沖田はそう言って、Aの髪の水気をとり始めた







A「...」

A(あれ、また寝ちゃってた)



Aが目を開ける



沖田「おはよ、Aちゃん」



A「あれ、総司何してるの??」



Aはまだ寝ぼけているのかゆっくりとした口調で
沖田に訊ねた



沖田「風に当たろうと思ったら君が寝てるし、髪の毛も濡れたままだったからいつ起きるのかなぁって見てたの」



そう言って沖田はニヤリと笑う



A「そっか、今起きた」



いつものAであれば
「見てないで起こしてよ!!」
と怒るところだが、寝ぼけているせいか
沖田の言葉をすんなりと受け入れる



A「もう寝る」



沖田「おやすみ」



沖田は
「面白くない」
と言うような表情をしつつ
部屋に入っていくAを見送った



ガタンッ

ガタッ



Aが部屋に入ってすぐ物音が聞こえる



千鶴「ん....」



沖田(Aちゃんは何してるんだろ...)



寝ている千鶴も起きそうな程の物音に
沖田はチラリと部屋を覗いた

そこには押し入れの中から布団を引っ張り出そうとする
Aがいた

部屋が暗いことに加えて寝ぼけているAは
布団を上手く出せないでいる

月が出ているからと言っても部屋の中は暗かった



沖田(確かにこの暗さじゃよく見えないか)

沖田(千鶴ちゃんも起きちゃいそうだし....)



沖田「Aちゃん、僕が出してあげるからちょっとどいて」



沖田は小声でAに話しかけるがAに反応がない

伍拾弐) 寝床・弐→←伍拾壱) 日課



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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時

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