伍拾壱) 日課 ページ32
ザバッ
A「ふぅ....気持ちいい」
湯に浸かるとAは目を閉じた
A(今日のことをゆっくり整理するのも大事だよね)
Aは、
自分を包み込む暖かい湯を感じながら
今日の出来事を振り返る
これは一日を終わるためにAが決めた日課であった
A「あぁ、思い出すと凹むなぁ」
池田屋事件の時は出血多量で倒れ
今回の事件では感情が制御出来ずに暴走してしまった
A「はぁ」
今日だけではなく今までのことを思い出し、
再度肩を落とす
A「でも」
Aはそう言い
バシャッ
湯を手で掬い顔にかけた
A(今日、土方さんが私に言ったことは新選組と私を思ってのこと)
A「千鶴も慰めてくれたし」
A「今回の教訓を生かしてもっと強くならないと」
A「よし!! 反省は終わり!!」
A「明日から、また気持ちを切り替えて頑張ろう」
・
・
・
・
・
バシャン
A「!!!!」
Aは湯の中に沈みそうになり慌てて身体を起こした
A「いつの間にか寝ちゃってた...!!」
A「意外にも疲れてたんだな」
「よっこらしょ」
と言いながら湯船から上がる
フラフラ〜
足元がふらつく
A「やばいのぼせた」
A「さっさと着替えて風に当たろ...」
ふらつきながらも浴室を出る
「暑い」
と呟きながら寝衣へと着替えた
A「よしっ」
A「髪の毛は...風に当たれば乾くよね」
・
・
・
・
・
トットットッ
A「わぁ...」
Aは脱衣場から出て部屋へと向かう廊下を歩いていた
ふと空を見上げると満月が辺りを明るく照らしている
スッ
Aの髪が純白に、瞳が金色に変わる
A「久しぶりにこの姿になれたから、やっと"気"を綺麗にできる」
月の者は、
満月の日に力が増強するだけでなく
自らの身体に流れる気が浄化されるのである
A「あっ」
Aは部屋の前まで辿り着くが、
自分の髪が一切乾いていないことに気がついた
A「こういう時、長い髪って嫌だなぁ」
ぶつぶつと文句を言いながら縁側に腰かけた
「まったく...」
と言いながら乾いた布で髪の水気を取る
・
・
・
A「もう無理」
トサッ
そう言うと、縁側に寝転んだ
夜風がAを撫でる
A(あぁ、気持ちいい風...)
そして瞼をゆっくりと閉じた
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時