参拾捌) 池田屋事件・参 ページ4
〜千鶴side〜
(本命は池田屋)
何度心で唱えたか分からない
この言葉を必ず土方さんの元へ届けなければならない
という焦りと使命感が更に足を速める
ハァ ハァ
何故こんなにも自分は足が遅いのかと嫌になる
今だって口から心臓が飛び出そうなほど走っているのに
千鶴は山崎が居ないことに少し不安を抱きながらも
土方達のいる四国屋へと急いだ
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〜池田屋〜
「「斬れぇえええぇえええぇぇ!!!!」」
近藤の掛け声と共に隊士達は走り出す
ザシュッ
隊士達は次々と浪士を斬り捨てていく
その中でも、幹部である沖田、永倉、藤堂は飛び抜けている
しかし攻め込む数が十であることから
一人で大勢の相手をしなければならなかった
敵の多さに沖田と永倉は背中を合わせる
沖田「大声で討ち入りを知らせちゃうなんて、凄く近藤さんらしいよね」
永倉「いいんじゃねぇの」
永倉「正々堂々と名乗りをあげる、それが討ち入りの定石ってもんだ!!」
藤堂「自分を不利な状況に追い込むのが定石...」
そう言いながら三人は次々と斬っていく
二階から次々と湧き出る浪士達
沖田、藤堂は二階を目指す
藩士「相手はわずか二人だ!! 斬れ斬れぇぇえええ!!」
沖田「威勢がいいわりに、すっかり怯んじゃってるみたいだけど」
藤堂「土方さん達が来る前に片付いちゃったりして」
そう言うと藤堂は一気に階段を駆け上がり斬りかかった
しかしその横を沖田が通り先に二階へと上がって行く
沖田「お先に」
藤堂「きったねぇ!!」
しかしこの後二人を待ち受けるのは、
"人間離れ"した男達であった
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二人が二階の浪士ほとんどを片付けた時
一つの部屋から気配を感じとった
沖田がゆっくりと襖を開けた先には
二人の男が居た
その者達はまるで異質で
静かに外を見つめる様子は更にそれを際立たせていた
赤い長髪を結った男が沖田に気が付き視線を向ける
部屋へと足を踏み入れた沖田と藤堂は刀を構えた
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〜四国屋〜
原田「それにしても遅ぇな 所司代達は」
斎藤「もう一度使いを走らせますか」
斎藤が土方へ問いかけた時
雪村「伝令!!!!!!」
千鶴が到着した
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時