肆拾玖) 禁門の変・伍 ページ29
風間「沖田と言ったか」
風間「あれも剣客には非力な男だった」
永倉「総司の悪口はいくらでも言え」
永倉「でもな、その前にこいつを斬った理由を言え」
永倉「その理由が納得行かねぇもんだったら、今すぐ俺がお前をぶった斬る!!!!」
A「....」
カラン
カラン
雪村「Aちゃん...??」
スッ
Aは永倉を手で制する
A「新八、こいつは私が斬る」
A「仲間を無差別に斬り、総司を侮辱した」
A「お前は罪に罪を重ねているようだな」
ゴオオオォォオオオオ
Aの周りに強風が巻き起こる
A「絶対に許さない」
ピキッ
橋が凍り始める
雪村「Aちゃん!! 」
土方「A!! やめろ!!」
永倉「落ち着け!!」
千鶴達はAを止めるが、
怒りに満ちたAには聞こえない
風間「お前っ、鬼では無いのか??」
A「....」
土方「待て!! このままだとここにいる奴ら全員...!!」
A「「疾風怒濤」」
氷剣を持ったAは風間に凄まじい勢いで距離を詰める
土方「新八!! お前はこいつらを連れて先へ行け!!」
永倉「おう、こいつらの指揮権、今だけ俺が預かるぜ」
ガキンツ
Aの氷剣と風間の刀がぶつかり合う音が響くが
風間の刀がAの力によって飛ばされる
ザシュッ
A「千鶴!!!!」
飛んだ風間の刀は千鶴の肩を掠め、橋へと突き刺さる
ようやく自我を取り戻したAは慌てて千鶴に駆け寄った
A「うそっ、千鶴の腕に...」
Aの力は解け、凍てついた橋は溶けてゆく
風間はAから短剣を奪うと、A目掛けて剣を振り下ろす
ガキンツ
振り下ろされた刃を土方が止めた
土方「お前、覚悟は出来てるんだろうな??」
土方「俺達の仲間に怪我をさせたその覚悟を」
土方「Aの刀を受けた時、力を抜いてわざと刀を飛ばしただろう」
風間「それがどうした」
風間「確認したいことがあったまでだ」
土方「人を斬ってまで確認したいこととは大層なことだな」
ガキンッ
カキンッ ガキンッ
再び刃のぶつかり合う音が響き渡る
「風間、そこまでです」
風間と土方の戦いはある男の声によって終止符がうたれた
天霧「薩摩藩に組みする我らが 新選組と戦う意味が無いことくらい百も承知のはず」
風間「確認は済んだ」
そう言い千鶴へ視線を向け、満足気に笑うと
風のように姿を消した
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時