肆拾玖) 禁門の変・肆 ページ28
赤髪「...」
斎藤「...」
互いに一歩も引かぬ無言の時が流れる
先に沈黙を破ったのは赤髪の男であった
赤髪「私には、君達 新選組と戦う理由がありません」
斎藤「俺とて騒ぎを起こすつもりは無い」
斎藤「あんたらと目的は同じくしているはずだが、侮辱に侮辱を重ねるのであれば、我ら新選組も会津藩も動かざるおえまい」
赤髪「こちらが浅はかな言動をしたことは事実。」
赤髪「薩摩藩を代表して謝罪しよう」
男の言葉を聞き、斎藤は刀を下ろした
赤髪「私としても戦いは避けたかった」
赤髪「そちらが引いてくれたことに感謝を」
男はそう言うと斎藤へ頭を下げた
天霧「私は天霧九寿と申す者だ。」
天霧「次にまみえるとき、お互いが協力関係であることを祈ろう」
それだけ伝えると、男は背を向け去っていった
斎藤の居合を微動だにしない天霧を
厄介な者として認識すると共に
"話が通じることは救いだ"
と言いながら斎藤と山崎は去っていく天霧を見送った
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〜御門〜
ドンッ
ドンッ ドンッ
原田と長髪の男も互いに一歩も引けを取らない激しい戦いを
繰り広げていた
銃と槍それぞれが相手を激しく攻撃し合う
長髪「お前は骨がありそうだな」
長髪「にしても、普通突っ込んでくるか??」
原田「小手先で誤魔化すなんざ、戦士としても男としても二流だろ」
原田の発言に男は口笛を吹くと、
「気に入った」
という様子で口を開く
不知火「俺は不知火匡だ」
不知火「おめぇの名乗り聞いてやるよ」
原田「新選組十番組組長、原田左之助!!」
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不知火「...そろそろ頃合だ」
不知火「新選組の原田左之助、俺様の顔をしっかり覚えておけよ」
不知火はそう言い残し、塀の向こう側へと姿を消したのだった
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〜橋の上〜
隊士「うわぁぁあああ!!」
風間は近くにいた隊士を斬りつける
斬られた隊士へと駆け寄る永倉と千鶴
幸い斬られたのは腕だけであった
風間「その羽織は新選組だな??」
A「ここまで来てなんの用??」
A「あなた以外にもお仲間がいるようだけど」
風間「あの夜も池田屋に乗り込んできたかと思えば、今日もまた手柄探しとは....田舎侍にはまだ餌が足りんと見える」
土方「お前が池田屋に居た鬼ってやつか」
土方「しかし、随分と安い挑発をするもんだな」
風間「腕だけは確かな浪人集団と聞いていたがそれも作り話のようだな」
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時