肆拾玖) 禁門の変・弐 ページ26
原田と山崎の話を聞いた近藤は土方に判断を委ねた
土方「原田、隊を率いて公家御門へ向かい長州の残党共を追い返せ」
土方「斎藤と山崎には状況の確認を頼む」
土方「当初の予定通り蛤御門の守備にあたれ」
原/斎・山「あいよ/御意」
土方「それから大将、あんたには大仕事がある」
土方「天王山に向かった奴らにも敗残兵は居る」
土方「そいつらは国まで落ち延びるだろう。」
土方「それを追討するなら俺らも京都を離れることになる。」
土方「その許可を貰いに行けるのはあんただけだ」
近藤は力強く頷いた
近藤「承知した。俺が何としても守護職を説き伏せる」
土方「それと、源さんも同行してくれ」
土方「大将が暴走しないように見張っておいてくれよ」
井上「あいよ」
近藤は土方の言葉に
「参ったなぁ」
という表情で頬をポリポリとかいた
その様子にその場は笑いで包まれる
土方「残りの者は俺と来い!! 天王山へ向かう!!」
土方の声を合図に各々が持ち場へと向かった
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〜蛤御門〜
斎藤が蛤御門へ到着すると、
薩摩と会津の間で手柄の取り合いをしていた
斎藤「会津と薩摩が手柄の取り合いか」
斎藤「愚かな事だ」
斎藤の登場に
薩摩は新選組を浪人と呼び、会津藩を腑抜けばかりだと言う
会津藩「おのれ、会津藩士を愚弄するつもりか!!」
剣を抜く会津藩士に薩摩藩士も刀を抜こうとする
スッ
しかし藩士の手はある人物の男の手で制される
その男は池田屋事件の時にいた赤髪の男であった
背丈も高く、体格も良いことに加え凄まじい威圧感である
刀を抜いた会津藩士は怯むことなく
その男へ斬りかかろうとする
カチャリ
今度は斎藤が会津藩士を止めた
それぞれの藩士が味方に止められる異様な状況に
その場にいる者はたじろぐ
斎藤「やめておけ、あんたとそいつじゃ腕が違いすぎる」
斎藤はそう言うと赤髪の男へと視線をむけた
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〜土方隊〜
A「!?」
A(鬼の気配...まさか!!)
Aは斎藤と対面した赤髪の男の気配を感じていた
A「...」
その気配にAは足を止めた
A(気配的に風間では無い...)
A(もしかして平助がやられた奴??)
A(どちらにせよ、藩士達がいる状況で鬼に斬り掛かるとか馬鹿な判断はしないだろう)
A(でもそいつが来てるってことは.....)
そう考えるAの頭には風間の存在がいた
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時