検索窓
今日:29 hit、昨日:52 hit、合計:3,931 hit

肆拾陸) 味方 ページ22

〜八瀬の里〜

A「顔を上げて」

A「立場を見せつけるためにここへ来たのではないわ」



Aは千姫の肩に手を置き、立つよう促した



A「さて、今日ここへ来たのは確認したいことがあったからなの」



君菊「姫様ここではなく客間の方で話された方が良いかと」

千姫「そうね、ここでは声が漏れる可能性があるから移動しましょう」



千姫は頷くと、Aを客間へと案内した



千姫「それで確認したいこととはなんでしょう」



客間に入りそれぞれが腰を下ろした時、
千姫は静かに口を開いた



A「貴方達が、私達の味方であるかどうか」



千姫「もちろんA様の味方です」

千姫「月ノ宮の存在は、八瀬の里の者でもごく一部の者しか知りませんが、その者達も同じです」



君菊「千姫様の忍びである私も同じでございます」



A「...月ノ宮の話では無いのです」



千姫「では"私達"とは一体誰のことを...」



A「私は今、新選組に居ます」



Aの言葉に、千姫と君菊の表情に緊張が走る



A「しかし、私達の味方につき戦場に出て欲しいという願いでは無いのです」

A「ただ、もし私や新選組に何かあった場合"雪村千鶴"を護って欲しいのです」



"雪村千鶴"という名前に二人は目を見開いた



千姫「雪村千鶴は私達が行方を探していた者です」



A「千鶴は、東国を統べていた雪村家の者ですね」



Aの問いかけに千姫は静かに頷いた



千姫「雪村家は人間の手によって滅ぼされたと聞いていましたが、最近 雪村家の娘が生き残っていると耳にしたのです」

千姫「そこで、私達は純血である女鬼は狙われやすいことから、保護しようと考えていました」



A「千鶴は、自分が鬼であることを覚えていません」

A「ですが、あえて無理に教える必要はないと考えています」



千姫「何故ですか」



A「千鶴は自分の治癒の速さには気がついているのです」

A「本人が自分の正体を知りたくなった時、伝えれば良いと私は思います」

A「自分の運命や柵(シガラミ)に囚われることは、苦しく悲しいものですから...」



そう言って悲しそうに笑うAに
二人は顔を見合わせる



君菊「姫様の御心のままに」



千姫は君菊の言葉に頷くとAへ向き直った







千姫「私達は、雪村千鶴とA様の味方です」

千姫「ですが、新選組の味方にはなれません」

肆拾漆) 友達→←肆拾伍) 提案



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 , 沖田総司 , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。