参拾捌) 池田屋事件・弐 ページ3
A「会津藩が今も動いていない可能性を考えるとなるべく早く動いた方がいい」
A「私はもう行きます」
A「二人とも気をつけて、山南さんも屯所をよろしくお願いします」
Aはそう言い残すと風のように去っていった
Aの後に続くように山崎と千鶴も屯所を出発した
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山崎「雪村千鶴君と言ったな」
走りながら山崎は千鶴へ話しかける
山崎「残念ながら、君の安全は保証できない」
雪村「はい」
二人の視線の先には四人ほどの浪士がいた
山崎「新選組の屯所に何か御用ですか??」
立ち止まって聞く山崎に明らかに動揺した様子であった
山崎「雪村君、何があってもこの道を走り抜けろ」
山崎「いいな??」
雪村「はい」
山崎言葉を聞いた浪士は刀を抜き、斬り掛かる
「雪村君、行け」
その言葉を合図に千鶴は再び走り出した
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〜池田屋〜
藤堂「くそっ、何やってんだよ会津藩は」
永倉「流石に遅すぎるな」
近藤達は未だ池田屋へ攻め込めずにいた
会津藩の到着の遅さに、
攻め込めないもどかしさと苛立ちが募る
沖田「どうします??」
沖田「これで逃しちゃったら無様ですよ、近藤さん」
沖田の言葉に近藤は腹を決める
近藤「やむを得ん、我々だけで踏み込むぞ」
近藤の言葉に誰一人反対した様子はなく、
むしろ「そう来なくっちゃ」と言わんばかりの表情であった
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〜Aside〜
シュンッ シュンッ シュンッ
私は屋根の上を全速力で走っていた
きっと、さっきの様子じゃ会津藩が動いていない可能性が高い
いくら剣の腕が立つからと言っても
本命に十人程度で乗り込むなんて危険すぎる
池田屋へと向かった隊士の人数の少なさ、
それに加えて変な胸騒ぎがする
Aは焦りが募る一方であった
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〜池田屋〜
ドカンッ
池田屋の戸を近藤が蹴り破る
そして大きな声で言った
「「会津中将殿お預かり、新選組」」
「「戦技の為、宿内を検める」」
「「手向かいすれば容赦なく斬り捨てる」」
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時