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肆拾参) 出陣 ページ19

永倉「よっしゃぁ!! いっちょやっだろうぜ!!」



隊士達「おう!!!!!!」



スッ



A「??」



永倉と隊士達が士気高揚する中、
山南は静かに広間から立ち去った

Aは気づかれないように
そっと廊下へ顔を出し、山南の様子を伺う

山南は左手を見つめると、ため息をついた

それは以前怪我をした腕であった



A(山南さん...)



山南からは悔しさやもどかしさ、やるせなさが感じられる



沖田「Aちゃん??」

沖田「何見てるの??」



隣に座っていた沖田に声をかけられ我に返る



A「ううん、何でもない」



そう言って誤魔化すように笑った









ジワジワジワ

蝉がうるさく鳴いている

蝉の声は季節が夏であることを知らせていた



近藤「我ら新選組は、これより京都守護職の命により出陣する!!!!」



近藤の声を合図に誠の旗が掲げられ、
隊士達は屯所を出発した











〜出発の少し前〜

A「土方さん、居る??」



土方「Aか」



Aの呼び掛けに土方は部屋の戸を開けた



A「お願いしたいことがあって」



土方「入れ」



部屋を滅多に訪れないAが来たということで、
土方は話の重要さを察したらしく部屋へと招き入れた



土方「どうした??」



A「会いたい人がいるの」

A「その人に今すぐ確認したいことがあってね」



土方「それは誰だ」



A「...それは言えない」

A「私の口からは話せない」



土方「それなら行かせられねぇ」

土方「それに会津藩からの出陣要請も来ている」

土方「どちらにしろ、今お前を行かせる訳にはいかねぇな」



A「そこをなんとかお願いします」



Aは土方に頭を下げた

土方は一瞬Aの行動に驚いたが、すぐに我に返る



土方「誰に会うかも分からない上に、何をしに行くかも分からねぇのに送り出せるわけねぇだろ」



A「分かった目的は言う。そうしたら行かせて」



Aは目をそらすこと無く、土方を見る



土方「...」



土方もまた何も言わずに厳しい顔でAを見る

Aは土方を見つめたまま口を開いた



A「その人が、敵か味方かを確認しに行く」



土方「お前....!!!!」

土方「もし敵だったらどうするつもりだ??」



A「私が斬る」



土方の問いに即答したAの意思は固かった

結局、土方が折れてAは後から合流することとなった

肆拾肆) 出発→←肆拾弐) 要請



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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時

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