肆拾弐) 要請 ページ18
元治元年 七月のある日、A達は広間へと集められた
近藤「会津藩より正式な要請が下った」
近藤「長州制圧のため、出陣せよとのことだ」
近藤の言葉を聞き広間がざわつく
隊士達の表情には喜びが見られ、
誰もが新選組の働きが会津藩に認められたと歓喜していた
藤堂「よっしゃぁ!! 新選組の晴れ舞台だ!!」
永倉「何言ってやがる平助、お前はまだ傷が治ってないんだから留守番に決まってるだろ」
喜ぶ藤堂に対して永倉はニヤリと笑いながら言う
藤堂「えぇ、そんなぁ!!」
A「当たり前でしょ、包帯も取れてないのに戦うなんて無理」
沖田「ま、怪我人は大人しくここで待機すべきじゃないかな」
A「総司もね」
沖田「え??」
A「平助も総司も留守番!!」
沖田「なんで僕まで....」
藤堂「そんなこと言ったら、Aだって怪我してたじゃん!!」
A「私はいいのもう治ったから」
A「土方さんも許可してくれたし」
そう言いながらAは
「お先に」
と顔の横で手をひらつかせた
山南「不服でしょうが、私もご一緒しますので」
山南の言葉に
「山南さんに言われたらしょうがない」
と言わんばかりに藤堂と沖田はため息をつく
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近藤「雪村君、君も一緒に行ってくれるか??」
藤堂「千鶴を!?」
藤堂は驚きのあまり身を乗り出した
近藤「戦場に出てくれというわけではない」
近藤「伝令や負傷者の手当など今は一人でも人手が欲しい」
土方「無理にとは言わん」
土方「行くか行かぬかは自分で決めろ」
近藤と土方の言葉に千鶴は決めかねている様子であった
その様子を見たAは千鶴の肩をポンッと叩いた
A「千鶴は池田屋事件のとき、きちんと伝令の仕事をやってのけた」
A「それに私や他の隊士達の治療もしてくれたじゃん」
A「自信もって!!」
雪村「私は...」
そう言って広間を見渡した
そこにいる隊士達は期待の眼差しを向けており、
誰一人として反対する者はいなかった
雪村「私でも何かのお役に立てるなら行きます!!」
千鶴は意を決したように力強く言った
A「そう来なくっちゃ!!」
千鶴の決定に皆が安堵した表情を浮かべた
藤堂「千鶴!! 俺たちの分もしっかり働いてこいよ!!」
雪村「はいっ!!!!」
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時