検索窓
今日:22 hit、昨日:62 hit、合計:3,872 hit

肆拾壱) 褒美・礼龍寺編ノ弐 ページ17

沖田「本当はさ、今日お祭りがあったんだ」



A「祭り??」



沖田の言葉にAは首を傾げた



沖田「そう、祇園のね」

沖田「土方さんは、ここ最近の千鶴ちゃんとAちゃんの頑張りを見て、ご褒美をあげたかったみたい」

沖田「さっき千鶴ちゃんが部屋から出た時、土方さんが左之さんの巡察に同行するように言ってたでしょ??」



A「あぁ、確かにそんなようなこと言ってた」



沖田「それで、本当はAちゃんも同行させようと思ってたみたいなんだけど、身体の状態的に無理しない方がいいって判断したみたい」



A「えぇ!!? 全然大丈夫なのに〜」



沖田の話を聞いてAは口を尖らせる



A「じゃあ....私へのご褒美は無し??」



Aは恐る恐る聞く



沖田「そうだね」ニコッ



沖田は悪戯な笑みを浮かべて言った



A「ええ!!!!!! そんなぁ....」



ガックリと肩を落としたAはこれまでになく凹んでいた



沖田「くくくっ」



沖田の肩が震える



A「.....」

A「もしかして....嘘??」



沖田「正解」



そう言ってAへ顔を向けた沖田の目には涙が浮かんでいた



沖田「あぁ、おっかしい」

沖田「君って本当に面白いよね」

沖田「見てて飽きないよ」



沖田はさらに笑った



A「もう!!!!」



Aは怒って立ち上がろうとする



グイッ



沖田は涙を拭きつつAの袖を引っ張った



沖田「ごめんごめん」

沖田「ちゃんと後であげるって言ってたよ、ご褒美」



Aは沖田の言葉を聞いて
「ほんと??」
と言いながら再び腰を下ろした



沖田「でも、千鶴ちゃんだけ先にご褒美貰ってるのにAちゃん貰えなかったら可哀想かなって思って...」



そう言って沖田はゴソゴソと何かを取りだした



沖田「これ僕からのご褒美」



沖田はAの手を取ると、
もう片方の手で"それ"をAの掌へと乗せた



A「わぁ!!綺麗!!!!」

A「これ何!?」



Aは目をキラキラと輝かせながら言った



沖田「金平糖だよ」

沖田「食べたことないの??」



A「うん初めて...!!」



そう言いながら大切そうに両手で金平糖をもつAは
小さな子供のようだった



A「食べていい??」

沖田「どうぞ」



「美味しい!!」
と嬉しそうに食べるAに
沖田は思わず笑みが溢れた



A「ありがとう総司!!」

沖田「どういたしまして」



縁側に座る二人を暖かい光が包んでいた

肆拾弐) 要請→←肆拾壱) 褒美・礼龍寺編ノ壱



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 , 沖田総司 , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。