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肆拾) 鬼・弐 ページ14

A「全ての鬼は、私のいた月の国から生まれたの」











昔、月の国の王家である月ノ宮に一人の姫がいた


その姫は "華家(カケ)" の一人娘であった


姫は歳を取るにつれて
外の世界への憧れが強くなっていった


ある日
その姫は誰にも知られないようこの地に降りてきた


そこで姫はある男性と出会う


男性と出会ってから
姫は頻繁に国から降りてくるようになった


そして次第に二人は惹かれあい恋人になる


しかしその事実を知った王は怒り天と地を結ぶ道を断ち
華家が反旗を翻したと地位を取り消した


それにより華家は月ノ宮の守護家から消えた


哀れんだ妃は王に知られぬよう一度だけ道を繋ぐ


もう国へは戻ってこられないこと
それでもいいのかと姫に確認した


姫の決意は固く揺らがなかった


その後、姫は男と夫婦になる


男は愛する姫の血を後に残したいと強く願い


姫の血を飲み自ら鬼になった


そして、二人の子は純血の"鬼"としてこの世に生を受けた











A「これが、この地にいる鬼の始まり」

A「まぁ、簡単に言うと駆け落ちした姫の残した子から広がって今に至るかな」

A「私が国にいた時は政務を任されることも多くて、特にこの地にいる鬼の管理を任されてたの」

A「年に一度、鬼たちの報告を受けるんだよ」



Aの話を聞き
納得する者、難しそうな表情をする者 様々だった



斎藤「なるほど、つまり礼龍寺が政務を行う際の書類に名前が書かれていたと」



A「そういうこと」



藤堂「うーん....分からねぇ!!!!!!」



納得する斎藤の横で藤堂は頭をガシガシと書いた



永倉「平助、お前はまだ餓鬼だから理解できないのも仕方ねぇよな!!」ハハハッ



豪快に笑う永倉を藤堂はジトリと睨む



藤堂「じゃあ、しんぱっつぁんは分かったのかよ」



永倉「ん?? あぁ....勿論だ!!」



A(絶対理解してないよね...)ハハッ

A「とにかく、そういうこと」

A「それになるべく戦いを避けた方がいい」



原田「それは分かったが...」

原田「密偵じゃないにしても、長州に組みする理由はなんだ??」

原田「余計に分からねぇぜ」



A(確かに左之さんの言う通り、なぜ人間にわざわざ肩入れしているのか....)



原田の言葉に斎藤も「さっぱりだ」という様に首を振る


広間は再び静寂に包まれたのであった

肆拾壱) 褒美・千鶴編→←肆拾) 鬼・壱



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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時

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