肆拾) 鬼・壱 ページ13
原田「A、俺が居ながら怪我させちまった」
原田「すまなかった」
沖田に続いて原田が口を開く
原田はそう言いながら頭を下げる
A「気にしないで」
A「私が護りたくて護ったんだから」
A「それに、今ここに居るだけで感謝だよ」
Aはそう言い微笑む
A「さぁさぁ!! 暗いのはこれで終わり!!」
A「ね??」
Aの元気な声に、皆の表情に笑顔が戻った
土方「そうだな」
土方「こんな湿っぽいようじゃ、治るもんも治らねぇな」
永倉「さすがにAちゃんの青白い顔みた時は肝が冷えたけどな!!」
A「幽霊みたいに言わないでよ〜」
永倉とAのやり取りに再び広間が笑いで包まれた
・
・
・
・
土方「さてと、Aお前も座れ」
そう言うと土方は自分と沖田の間に座布団を置いた
A「うん、ありがとう」
Aは促されるまま、そこへ腰を下ろした
井上「それにしても、沖田君や藤堂くんに怪我をさせるほどの奴が居たとはね」
沖田「次に会ったら勝つのは僕ですから」
斎藤「そいつらは長州の者では無いと言ったそうだが」
藤堂「あぁ」
斎藤「だが、あの日は池田屋も人払いをしていたはずだ」
A(確かに...)
A(この間会った感じからして、人に組みする様な鬼ではなかった)
A「何か目的があるのか...」
永倉「そうだな」
斎藤「何らかの目的で潜入していた他藩の密偵かもしれん」
A「どちらにせよ、こっちに攻撃してきたってことは今後も敵である可能性が高いね」
斎藤「あぁ」
A「それにあいつらは、私と同じ」
A「人間じゃ無い」
Aの言葉に全員が息を呑む
A「総司と戦ったのは風間千景という鬼だよ」
沖田「風間千景....」
A「この地にいる鬼は風間だけじゃない」
A「きっと平助が戦った男も鬼だったはず」
藤堂「確かにバケモンみたいな力の強さだったけど、なんで分かるんだ??」
A「それは...」
Aはそう言うと天を指さした
A「私がまだ国にいた時に名前を見たから」
土方「どういうことだ」
A「じゃあ、少し説明するね」
・
・
・
・
A「まず全ての鬼は、私のいた月の国から生まれたの」
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時