参拾捌) 池田屋事件・壱 ページ2
四国屋と池田屋へ
二手に分かれた隊士達
以前より池田屋を頻繁に使っていたことから
四国屋へと目星をつけ、
約三分の二の隊士を向かわせた
また、池田屋も可能性を捨てきれないため
約三分の一の隊士が向かった
留守を守るため
屯所には山南・千鶴・Aが残ることになる
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隊士達が屯所を出て暫くした時、その知らせは届いた
山崎「総長」
そう言って慌ただしく戸を開いたのは山崎であった
山崎「本命は、池田屋です」
本命は
近藤と幹部三名を含め、十人程で向かった"池田屋"であった
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〜池田屋〜
近藤達が池田屋正面の路地に着き、店の様子を伺う
スッ
その時
二階の障子が開かれ、男が顔を出す
男は近藤達に気がつくことはなく障子はすぐに閉められたが、
それは本命が池田屋であることを証拠付けた
沖田「こっちが当たりか」
近藤「会津藩はまだか」
隊士「まだ見えません」
近藤達は剣の実力が指折りである幹部がいるとしても、
攻め込む隊士の人数が十人程度という事実に攻め込めずにいた
〜屯所〜
山南「私としたことが、見誤りました」
A「いや、私でも山南さんと同じことを考えたと思いますよ」
A「長州は場所を変えて会合を開くっていう頭が無かっただけ」
山南「礼龍寺君...」
山崎「直ぐに土方副長のいる四国屋へ伝えに行きます」
山南「頼みます、ことは一刻を争う」
山南はそう言うと、千鶴とAに向き直る
山南「それと雪村君、君も山崎君に同行して下さい」
山南「そして礼龍寺君は池田屋へ向かい加勢して下さい」
山南からの予想外の言葉に千鶴は驚いた
雪村「え、私が....ですか??」
その様子を見て山崎も口を開く
山崎「お言葉ですが、伝令は自分一人で事足ります」
A「いいや、こういう時は最悪のことを考えないと駄目だよ」
A「捕縛した古高から情報を吐かせることを向こうも予想していたら、こちら側の行動も読まれている可能性が高い」
Aの言葉に山南が頷き続ける
山南「礼龍寺君の言う通りです」
山南「何があるか分かりません。確実に伝えるためには一人より二人です」
山崎「分かりました」
雪村「何があっても必ず伝えます」
千鶴はそう答えると力強く頷き拳を握りしめた
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作者名:雪姫華-yukika- | 作成日時:2024年2月6日 15時