299話 寄り添う親子13 ページ49
「父ちゃんお腹が空いた！」
外で話をしていた朔太と雅紀。
ドアを開けて元気な声に顔がほころぶ。
「メシに行くか」
「行く！」
父の手を握る娘。
「相葉さんありがとう。なんか話をして気持ちが楽になったよ」
「何？なんの話をしてたの？」
下から見上げる亜子。
頭を撫でながら愉快そうに朔太は言う。
「大人の話。難しいから聞いたら脳みそがねじれるぞ」
「うえ！やだ」
笑いが溢れる。
失礼しますと親子はカフェを出ていく。
夕食は外食。
「ラブラブデートだね」
見送る雅紀。
背中に突き刺さるような熱い目線、気配を感じてゆっくりと振り返る。
腕を組んだ和也が仁王立ち。
「か、帰っていったよ」
「言わなくてもわかっているわ」
「お、俺達もお腹すいたね」
「本当に腹が減った？気持ち悪くなっているんじゃないのかよ」
額、首を触られ熱が出ていないかチェックをされる。
堂々と朔太の話を聞いた雅紀。
止められなかった和也は、話を聞くように仕向けた智の背中をずっとパンチしていた。
智は背中を翔に見てもらっている。
「ちょっと赤くなっているよ」
「うー」
その様子に手を合わせてゴメンと雅紀は智に謝った。
和也の心配するあまりの八つ当たり。
「ちょっと聞いただけだから」
「本当に大丈夫なんだな？」
「本当に大丈夫。元気いっぱい。それより……地上げ屋だよ。問題はあの地上げ屋」
毎日押しかけているらしい。
「今日はたまたま俺が行ったから止められたけど……」
「何かあったら俺らがすぐにかけつければいいよ」
カフェから整備工場はすぐにいける距離ではない。
潤が携帯電話を雅紀に見せた。
「え？何？」
「亜子ちゃんと携帯番号の交換した」
亜子の方は家の電話番号であるが。
「何かあったら電話をしてくるように約束したんだ」
「Jは小３女子も許容範囲なんですね」
「おいおい、亜子ちゃんはオイラのガールフレンドだぞ」
俺の女に手を出すんじゃねぇとふざける智をおかしそうに翔は突っ込む。
「随分年下好きだね智君」
二人っきりの家族だけど幸せに暮らしている朔太親子。
優しさに包まれた親子であるから助けたくなる。
雅紀だけじゃない。
智も翔も和也も潤も。
SOSの電話がかかってきたのは翌日の事だった。
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むつき(プロフ) - だんぼさん» おひさしぶりです！今回のお話は重くてなかなか文章が出てきませんでした。そんな優しい言葉を言われたら泣いちゃいます。ありがとうです。これからもがんばります。 (2014年4月12日 23時) (
レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
だんぼ(プロフ) - むつきさん、お久しぶりです。潤くんのお話…切なかった…白石さんの記憶を思うと… そしてそれを感じてしまう雅紀と支えるにの…5人の絆と優しさに 感動しました！ むつきさんのお話って本当に温かくて、後からじんわり効いてくる…そんな感じですね… (2014年4月12日 13時) (レス) id: 5df5e1bd71 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - みのりさん» はじめまして。読んで頂き嬉しいです。ほっこりが伝えて行けるようにこれからも精進致します。 (2014年4月9日 23時) (レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - ケイさん» すべてを受け止める優しさは強さでもありますよね。彼にはそんな力があると思います。コメントありがとうございます。 (2014年4月9日 23時) (レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 初めてコメします。このお話し大好きです。5人のホッコリ感もとっても素敵です。ずっと続けて下さい。 (2014年4月9日 10時) (レス) id: 5959279da5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2014年3月8日 19時
