284話 書き換えた記憶17 ページ34
白石と上里を見送ったカフェ一同。
智から雅紀と和也を支えろの言葉に潤と翔が慌てる。
二人の体が後ろへ傾いた。
「ちょっおわ！」
「おぉっと雅紀！」
間一髪支える。
ずっと白石の負の感情を受け続けていた雅紀の体は限界。
力尽きた。
和也は？
「ずっとあーばちゃんの背中を擦っていたからなぁ、負の感情が多分流れ入ったんだろ」
分析する智。
「そ、そんな事あるの？」
翔は驚きの声を上げる。
「ニノはあーばちゃんのいとこだよ。不思議じゃねーだろ。シンクロだ、シンクロ」
二人を担ぐと隣の家へ運ぶ。
仲良く雅紀のベッドに寝かせた。
つい最近買い換えた雅紀のベッドは二人が寝ても余裕な広さ。
「今日の事態を予測していたみたいだな〜」
熱を測るとこれまた仲良く高熱。
「寒いか雅紀？毛布増やそうか？ん？ニノは水が飲みたい？ちょっと待てて。翔さん水を頼むよ」
パタパタと潤と翔が動く。
智は二人の額を冷たいタオルで拭いていた。
「……う〜……」
和也が胸を抑えて寝返りを打つ。
「気持ち悪いか？」
「……少し……吐くまででも…ないです」
「ごめ…ん、和、ごめんね。移しちゃった……」
雅紀も高熱を出しているのに和也の背中を擦る。
「……いいから……雅も辛いん……だから」
「俺こんなのいつもだし、慣れているし」
「……馴れるな馬鹿」
ごもっとも。
「二人とも話してないでちゃんと寝る」
「うん」
「へい」
雅紀は和也の背中をさすり続ける。
いいよと言いながらも和也は手が心地いのかされるがまま。
「……ね、おーちゃん」
「ん？」
「白石さんずっと悲しかったんだね」
「そうだな」
「立ち止まったまま苦しかっただろうね」
「歩き始めたんだ。すぐ立ち直る」
さすっていた手が止まった。
後ろをチラリ振り向いた和也。
困ったような表情を浮かべた。
雅紀が泣きそうな顔をしていた。
「ばーか。大丈夫だよ」
「何も言ってないじゃん……」
雅紀の気持ちはシンクロしなくてもわかってしまう。
「そうだ。大丈夫だ」
智も雅紀の気持ちに気が付いていた。
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むつき(プロフ) - だんぼさん» おひさしぶりです！今回のお話は重くてなかなか文章が出てきませんでした。そんな優しい言葉を言われたら泣いちゃいます。ありがとうです。これからもがんばります。 (2014年4月12日 23時) (
レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
だんぼ(プロフ) - むつきさん、お久しぶりです。潤くんのお話…切なかった…白石さんの記憶を思うと… そしてそれを感じてしまう雅紀と支えるにの…5人の絆と優しさに 感動しました！ むつきさんのお話って本当に温かくて、後からじんわり効いてくる…そんな感じですね… (2014年4月12日 13時) (レス) id: 5df5e1bd71 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - みのりさん» はじめまして。読んで頂き嬉しいです。ほっこりが伝えて行けるようにこれからも精進致します。 (2014年4月9日 23時) (レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - ケイさん» すべてを受け止める優しさは強さでもありますよね。彼にはそんな力があると思います。コメントありがとうございます。 (2014年4月9日 23時) (レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 初めてコメします。このお話し大好きです。5人のホッコリ感もとっても素敵です。ずっと続けて下さい。 (2014年4月9日 10時) (レス) id: 5959279da5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2014年3月8日 19時
