271話 書き換えた記憶4 ページ21
「雅紀行くぞ〜」
「はーぃ。じゃ、行ってくんね！」
バタバタと足音を立てて玄関に向かう雅紀。
今日雅紀は潤の実家である教会にお邪魔する。
手にいっぱいのお菓子の袋を持つ。
「夕食前には戻ってくるからね〜」
「ん〜」
仕事で徹夜明けの和也が見送った。
智は昨夜から釣りに出かけている。
寝癖よろしくの翔が小説を読みながらコーヒーをすすっていた。
「翔さん、わたくし寝ますので」
「おう、お疲れ。ゆっくり休めよ〜」
ベッドに入るとすぐに眠りに落ちた。
数時間後……。
翔の大声で目を覚ます。
「ニノ！すぐ降りて来い。雅紀が!!」
雅紀という言葉に飛び起きた。
声がした玄関へ走る。
玄関には誰もいなかった。
外かとドアを開けると潤と翔に支えられタクシーから降ろされている雅紀の姿があった。
「……雅？」
真っ青な顔色。
すぐに部屋へ運び入れる。
「ここ頼むな」
翔はタクシーの料金を払いに外へ。
上着を脱がせて楽な服に着替えさせる。
ベッドに体を横にさせると額に手を置く和也。
「……熱いね」
「和……の手……気持ち……」
水と洗面器を持って潤が部屋に入ってきた。
「ウガイしよう雅紀。結構吐いたから口の中が気持ち悪いだろ？」
「……うん」
口をゆすがせて、再び体を横にする。
「和……手……」
酷くつらい時、雅紀は和也の手を握る。
そうすると体が楽になるのだとか。
手を握ると眠っていしまった。
「氷枕を作ったぞ」
翔は店に氷を取りに行ってくれたらしい。
雅紀の頭の下に置く。
「さて……」
「さてですよね……」
二人は潤を見た。
どうしてこうなったのか？
何があったのかと。
「それが……白石さんに会ったんだ」
あの司会者の白石？
「今日……教会に行ったんですよね？なんで白石さん？」
「教会に来たんだよ、白石さんが」
「は？なんで？」
「偶然だと思う」
潤が言うにはいつも通り教会に帰った。
みんなでお菓子を食べ、子供たちと遊び、雅はシスターとおしゃべり。
そこへ白石が訪ねてきっという。
「雅紀はシスターと礼拝堂にいた、子供たちと外で遊んでいた俺が対応したんだ」
「まさか雅紀に会いにわざわざ？」
「それは違うみたい。白石さんは人探しをしていた」
「人探し？」
潤から出た言葉は衝撃的なモノだった。
「捨てられてしまった息子を探しているって」
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むつき(プロフ) - だんぼさん» おひさしぶりです！今回のお話は重くてなかなか文章が出てきませんでした。そんな優しい言葉を言われたら泣いちゃいます。ありがとうです。これからもがんばります。 (2014年4月12日 23時) (
レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
だんぼ(プロフ) - むつきさん、お久しぶりです。潤くんのお話…切なかった…白石さんの記憶を思うと… そしてそれを感じてしまう雅紀と支えるにの…5人の絆と優しさに 感動しました！ むつきさんのお話って本当に温かくて、後からじんわり効いてくる…そんな感じですね… (2014年4月12日 13時) (レス) id: 5df5e1bd71 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - みのりさん» はじめまして。読んで頂き嬉しいです。ほっこりが伝えて行けるようにこれからも精進致します。 (2014年4月9日 23時) (レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - ケイさん» すべてを受け止める優しさは強さでもありますよね。彼にはそんな力があると思います。コメントありがとうございます。 (2014年4月9日 23時) (レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 初めてコメします。このお話し大好きです。5人のホッコリ感もとっても素敵です。ずっと続けて下さい。 (2014年4月9日 10時) (レス) id: 5959279da5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2014年3月8日 19時
