58.あの子の優しさに ページ28
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「嫌だなあ〜彼氏さんよ。未来を驚かせないでくださいよ」
「た、たくみ先輩…!」
未来はたくみの元へ走り寄り、胸元に縋り付く。
「ねえ、先輩はそんなことしないよね…ね?」
たくみが震える未来に対して微笑みかける。
「うん。俺が男たちにAを襲わせたんだよ。」
「嘘……」
未来がたくみから手を離し、その場に座り込む。
たくみは笑顔を崩さないまま、俺の方を見た。
「あの女がどうしても欲しかったんだ。見た目もいーし、単純に好みだし。
なかなかこっち向いてくれなかったから、ちょっと強行突破しただけだよ」
「本当、サイテーな奴やな。」
「まあ、手に入れたら入れたでつまんない女だったけどよ」
どうして、こんなやつにAちゃんは悲しまないといけなかったのか
あの笑顔を少しでも汚したこいつがどうしても許せない。
けど、ここで手を出したらこいつと同レベルになってしまう。
「…別にさ、お前がどうしようが俺には関係ないけど
お前のせいで傷ついたAちゃんの前に二度と姿現せんなよ」
「…別にいいけど?振った女に用はないし」
「……警察にも行かず、そしてお前の作った曲や写真を消してなかったAちゃんの気持ち、お前にはわかんねーよな」
「………」
俺は座り込んでいる未来と、黙ったままこちらを睨んでいるタクミに背を向けその場を後にした。
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ゆき(プロフ) - pさんありがとうございます!時間が少し取れるようになってきたので、またゆるゆると更新していきます! (2021年1月26日 20時) (レス) id: 71c19dbaab (このIDを非表示/違反報告)
p(プロフ) - 更新ありがとうございます! 続きがとても楽しみです(≧∀≦) (2021年1月24日 12時) (レス) id: 7148025d73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2020年9月7日 2時