53．代償 ページ23
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衝撃的な事実が書かれた本を前に、私は動揺を隠せずにいた。
「そんな…じゃあ、もう拓也さんには会えないってこと…？」
拓也さんは一度、未来に行くためにタイムスリップをしている。
そして、元の時間に戻るためにはもう一度タイムスリップをしなければならない。
二度しかタイムスリップをすることができないため、過去の拓也さんには二度と会えないのだ。
「…って、何言ってんだろ私…
そもそも過去の拓也さんに会えてること自体が異常なのにね…」
そう、こんなこと本当はあってはならないのだ。
それに、いつまでも未来に残っていいわけが無い。
彼は過去に帰って、多くのファンに歌を届けないといけないのだから。
「私一人のわがままなんか言っちゃダメ…！」
そう前向きに捉えようとした矢先、私は最後に書かれた文章を見て驚愕した。
『―――二度目のタイムスリップを行ったら、一度目の時間での記憶は全て消されてしまう。』
二度目のタイムスリップ…つまり、私が今過去にきた記憶と、拓也さんの未来での記憶の消去…
「拓也さんが過去に戻ったら…私のことは…もう…」
私は本を閉じ、図書館を後にした。
図書館からオーラルハウスまで帰った記憶はなく、
ただ脳裏に拓也さんの笑顔が浮かんで消えなかった。
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ゆき(プロフ) - pさんありがとうございます！時間が少し取れるようになってきたので、またゆるゆると更新していきます！ (2021年1月26日 20時) (
レス) id: 71c19dbaab (このIDを非表示/違反報告)
p(プロフ) - 更新ありがとうございます！ 続きがとても楽しみです(≧∀≦) (2021年1月24日 12時) (レス) id: 7148025d73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2020年9月7日 2時
