49.悪魔の囁き ページ19
.
.
「くそ…どこ行ったんや…」
Aちゃんが消えた。
昨日の夜、急に隣から姿を消した。
慌てて付近を探しても見つからず、警察にも捜索願を出したが行方がわからない。
今日も朝からずっと探しているが、自分の正体を隠すためにも、あまり大胆な行動ができない。
(なんとしてでも見つけないと…)
「あれ、Aの彼氏さんじゃないですか〜!」
妙に甘ったるい声で話しかけてきたのは、昨日出会った未来だった。
「あ…未来さん…やっけ?」
「未来でいいですよ!奇遇ですねー!また会えて嬉しいなあ〜!」
吐き気がするほどにあざとい声を出す未来にいい気分はしなかった。
「あれ?今日はAはいないんですか?」
「まあね……急いでんから」
俺は一刻も早くその場を去ろうとした…が、未来に腕を掴まれた。
「……何?離してくんない?」
「Aのこと、ほんとに好きなんですか?」
「は…?」
「だってA、傷物なんでしょう?」
「なんやそれ意味わかんねえ」
「え?もしかしてタクミさん知らないんですか?
Aって、一年前に知らない男にレ○プされたんですよ」
「………は?」
「あ!やっぱ知らなかったんだ!」
『―――寄ってくる男なら誰にでも股開くようなビッチだからな』
以前たくみが言った言葉が頭をよぎった。
「A一時期男性恐怖症にもなってたみたいですしい〜未来心配しててえ」
「…………」
「その後に付き合ったたくみ先輩も、一回もシテくれないし愛されてるのか分からなくなった、って〜
だから、タクミさんも本当は辛いんじゃないのかなあって」
ーーーーああ、こいつらは…
「タクミさん……未来なら、絶対に不安にさせませんよ?
……だから…ね?」
未来が俺の腕に抱きついてきた。
「……なよ」
「え?」
「ふざけんなよって言ったんだよ!!!」
俺の大切な人を汚したこいつらだけは、絶対に許さない。
.
.
38人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆき(プロフ) - pさんありがとうございます!時間が少し取れるようになってきたので、またゆるゆると更新していきます! (2021年1月26日 20時) (レス) id: 71c19dbaab (このIDを非表示/違反報告)
p(プロフ) - 更新ありがとうございます! 続きがとても楽しみです(≧∀≦) (2021年1月24日 12時) (レス) id: 7148025d73 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆき | 作成日時:2020年9月7日 2時