魔法の花【ツイステ】 (ページ2)

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昔々あるところに女王様がいました。

女王様はお腹にもう一人の命を宿しているにもかかわらず何をしても治ることのない‘不治の病’ というものにかかってしまいました。

その女王様の暮らしている国には１つの言い伝えがありました。
それは…

“ どこかに咲くどんな怪我や病気も治すことの出来る金色の花”

というものでした。

女王様の病気を治すために、早速衛兵達がその“金色の花”を探し始めました。

一方その頃、国の外れに黒く長い髪を持つ綺麗な肌の女がいました。

彼女は金色の花の力を使い何年も何年も美しい姿を保ち生き続けているのです。

そんな彼女は見てしまいました。

彼女が何年も何年も大切にして隠していた金色の花を女王様の衛兵が掘り起こして持っていってしまうところを。

女は取り乱しました。

このままだとどんどん老けていき、死んでしまうからです。

取り乱し取り乱し、女は１つの考えにたどり着きました。

それは…

“女王様のお腹にいる子が生まれてきたら、きっと金色の花の力を髪に宿している。だから、その髪を少しばかり拝借すればいいのだ。”

というものでした。

女は待って、待って、待ち続けて、少し諦めかけたその時、国中が賑やかになっているのに気づきました。

そうです。

女王様の子供のお姫様が生まれたのです。
国はお姫様の誕生の宴のために賑わっていたのでした。

そのことに気付いた女はその日の夜にお城に忍び込むことにしました。

その日の夜、お城に忍び込んだ女はお姫様の揺り籠に近づき、髪を1束掬いました。

そして手に持ったナイフでシュッと切ると…あぁ、なんてことでしょう…綺麗な光の魔法の力を宿した金色の髪が女王様と同じ焦茶色になってしまったのです！

女は焦りました。

何故なら、髪だけを持ち去る気でいたのですから。

女は考えました。髪だけが無理ならば。この赤ちゃんを連れ去れば良いのではないか、と。

そう考えた女はその可愛い赤ん坊を連れ去りました。

そしてお姫様と高い高い塔に住むのでいた。

その女は過去に“マザー・ゴーテル”という名で語り継がれていくのでした。