身体より心 ページ8
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おかしい。
どう考えても、おかしい。
『…生理前？』
誰もいない部屋で呟いたその一言は、声量が無かったからか反響もせず空気に溶けていった。
何を隠そう今の私、すこぶる気分が悪いのである。
なんだろう、すごくムカムカしてイガイガする感じ……腹立たしいとも違うし、動きたくないのに走り出したいみたいな……伝われ。
＿＿巳「A、起きてます？朝食は食べますか？」
『！』
悶々と悩んでいるとドアの向こうから巳波の声がして、反射的に顔を上げる。
『…起きてるよ！朝ごはんはいらないです。ありがとう。』
朝ごはん食べることなんて3ヶ月に1回あるかないかなのに、よく巳波は毎日聞いてくれるなぁ。おじいちゃんなんて私がフランス来てから1週間後には「めんどくせぇから今後は自分で用意しろ」って言ってたよ。
…思えばだいぶ鬼畜では？私当時10歳なんだが。
＿＿巳「……入っていいですか？」
『なんで？いいけど…』
巳「熱計ってください。」
『えっ』
どこからツッコめばいいんだろう。
『私熱あるの？』
巳「それを確かめる為に一旦計るんです。この時間にあなたがそんなにスッキリ起きてること自体珍しいですから。」
『バロメーターそこなんだ。』
ちらりと時計を見れば時刻は6:30。わお早起き。
巳「あと…ほら、あなた熱出すと左目が奥二重から二重になるんですよ。」
『私の熱の出し方癖強くない？？てかよく覚えてるね。』
巳「逆に覚えてないんですか？」
え？
聞き返そうと思った矢先に計測終了の電子音が鳴り、取り出すとそこには「38.7」と表示されていた。
『わぁ、日本に来てこんな熱出したの初めて！』
巳「感心してる暇があったら病院を予約してください。」
呆れつつも眉間のシワがだいぶ濃い巳波。もしかして心配してくれてる？
『…今日遅くまでお仕事だよね？
体温ほどヤバいわけじゃないし思ったより平気だから私は大丈夫だよ。』
巳「……本当に？」
『本当に！』
一応嘘はついてない。本当に今はお腹のムカムカしか無いのである。動けないわけじゃないし、頭も痛くないし。
巳「…何かあったら必ず、すぐに呼んでください。約束です。破ったら怒りますからね。」
『わかった〜。』
今日は月9ドラマの撮影って聞いたし、多分呼んでも帰れるわけないよなぁ。
と思いつつ、とりあえず納得した素振りだけは見せておいた。
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さちこ - 妹の特権シリーズ、全部大好きで、本当に素敵なお話ばかりで、書いてくださっていることに感謝です。甘やかしてくれる巳波が最高です。これは本当に勝手な希望なのですが、いつか和泉兄弟の妹(一織と双子とか)のお話を書いて下さらないかなあと思ったりしています… (1月21日 22時) (
レス) @page28 id: e8a5c1f9d7 (このIDを非表示/違反報告)
妄想人間 - ありがとうございます。いつも楽しく読ませてもらってます！リクエストなのですが妹ちゃんがゼロの絵を描いてる時に九条と出会って舞台演出の絵を妹ちゃんに描いてもらう話を見てみたいです！よろしくお願い致します。 (10月2日 12時) (レス) id: 2d8b52f242 (このIDを非表示/違反報告)
なつめみく - 今気づいたけどこの人の他の小説自分めちゃくちゃ読んだことあってタグの天野いろはって名前をよく見かけててこの作品の凄いって思って作者みたらいろはさんでした (9月30日 22時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
全自動駄作製作機(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます、棗兄妹もŹOOĻも皆幸せに暮らしてね...珍しくお熱出しちゃう話とか読みたいです。 (8月26日 17時) (レス) @page2 id: 71c95f50b7 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - いつも楽しく読ませてもらってます！八乙女楽との絡みがみたいです。 (8月24日 23時) (レス) id: d3cdc3cfb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天野いろは
| 作成日時：2023年8月6日 2時
