妹の特権【棗巳波】〜リクエスト募集中〜

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程なくして頭を撫でていた手が離れ、それと同時に身体も離れていった。





『…ん、？』

巳「身体、冷えすぎです。今度からはちゃんとご自分の持ってきてくださいね。」





呆れたように言いながら、私に自身のマフラーを巻き付けた巳波。

香水でも着けていたんだろうか。ほんのり甘い香りがした。





巳「そろそろ帰りましょうか。」

『ぁ…ま、待って、…』





慌てて巳波を呼び止めて、鞄の中から小さな包みを取り出す。





『…はい。』

巳「…？」

『クリスマスプレゼントだよ。開けてみて。』





あげたのは、ツバキの花が刻印された金色のブローチ。

一目見て巳波に合いそうだなと思って、買うことにした。





巳「……」

『何その顔…？』

巳「あ、いえ…貰えると思ってなかったので。」

『なんでよ、普通にあげるよ。』

巳「そう…ですよね。ありがとうございます。」





謎にぎこちなく返した巳波も、思い出したように鞄を開けた。





『…った、かそう…』

巳「真っ先に値段を気にする癖、良くないですよ。」

『いやわかってるんだけど……うん、』





小さな箱に梱包されていたのは、バラのような花が形取られた銀色のネックレス。

2人揃って花物だなんて、我ながら変な被り方したなぁ。





『綺麗…ありがとう、大事に使います…』

巳「そうしてやってください。」





小さな箱を握りしめる。

また宝物がひとつ増えた。





『…ねぇ、帰る前にご飯食べよ！』

巳「珍しいですね、あなたから外食を申し出るなんて。」

『今日は食べれる気分だから。』


巳「あぁ…そう言えば5分ほど前に狗丸さんからラビチャが来ていましたよ。」

『私に？なんて？』

巳「グループチャットです。宇津木さんと飲み明かす予定だからよかったら皆もどうか、と。」

『えー行く行く！飲めないけど行く！』





見れば宇津木さんの家で宅飲みらしい。なんだそれ絶対楽しいじゃん。

道中でお惣菜か何かを買ってこようという話になり、また私たちは歩き出す。


ほんの少しだけ積もった雪の上に、2人の足跡が並んで付いていった。







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メリークリスマス🎄

それどころじゃないですね、

あけましておめでとうございます！！

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