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……我ながら、よく耐えたと思う。
『っ、はああぁ〜〜〜〜〜…!!』
誰もいなくなった待合室で、一人、ため息をつく。
なんて極端な体なんだろう、今になって全てぶり返してきた。
体内の酸素全部出すレベルに吐いた。反動で息を吸いすぎて今度は咳き込む。
しばらく座り込んだまま深呼吸を心がけると、だいぶ落ち着いてきた。
『…起きたら絶対、1発殴ってやる……』
「顔だけはやめてね。」
『!?』
至極当然のように入ってきた声に、弾かれたように顔を上げる。
地面に座っている私の目線に合わせるように、天くんが屈んで顔を覗き込んできた。
九「…君本当、陸が大好きだよね。」
『…は、』
九「この期に及んで否定する気?」
……生憎私も、今回ばかりは本気で焦っていたことに言い訳はできない。
九「あれだけ全力疾走して、死ぬ間際みたいな形相で助けてって叫んでおいて、もう否定する方が難しいでしょ。」
『…それは、』
九「それでも否定したいなら、ボクを説得してよ。」
いつになく必死な天くんに、少し戸惑う。
やけにムキになってる気がする、そんなに私に七瀬くんを好きでいて欲しいの?
九「誤ってボクが君に告白しちゃわないように、ちゃんと説得してよ。」
『_____え?』
その意味を理解するまで、軽く20秒はかかっただろう。
でも、その意味を理解できないほど、私は子供じゃなかった。
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天ヶ瀬(プロフ) - 更新お疲れ様です‼️この小説ほんとに大好きですみんな解像度高くて解釈一致すぎます大好きです、、、😭😭更新きた瞬間飛び跳ねましたこれからも応援してます頑張ってください‼️‼️ (1月9日 21時) (レス) @page17 id: 2303c9977f (このIDを非表示/違反報告)
名無し47300号(プロフ) - 更新ありがとうございます😭 (10月30日 12時) (レス) id: bb80c8ded9 (このIDを非表示/違反報告)
なつめみく - ふははははははは!!!今までの元カレが塵のようだ!!!!!三月結婚しようか。あ、りっくん目があったね?逃がしませんよフフフフフこんな素晴らしい話を読んでりっくんに浮気とかしないわけないじゃないですかミツカン (9月27日 12時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
ななは(プロフ) - くっっっっっっ......好きです......ありがとうございます...応援してます!!!!!! (8月29日 0時) (レス) @page10 id: 8319d77ff3 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - 初めまして!妹の特権シリーズ読んでからファンです!このお話も好きです(*´ω`*) (8月14日 3時) (レス) @page8 id: d3cdc3cfb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天野いろは | 作成日時:2023年8月5日 10時