妹の特権【棗巳波】

要するに全否定 ページ6

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『巳波巳波！』

巳「だめです。」

『まだ何も言ってない…』

巳「持っているチラシで大方わかります。」





そのチラシというのは、とあるバイトの求人情報。

コンビニ店員もちょっと飽きてきたので、新しいバイト先を探そうと思っていたところに偶然見つけたのだ。


そう、コンカフェ＿＿＿＿＿メイド喫茶の求人である。






『時給4000以上だよ？しかもほら、制服すんごい可愛い！採用率も99%だって〜こんな優良物件なかなかなくない？』

巳「1つ教えてあげましょうか、バイトにおいて給料が他より高くなる要素は【努力値】ではなく【危険性】です。
危険が伴う、またはその可能性が高いことに対しての補償としてその給料を設定しているだけで、言い換えれば『これだけ金払ってるんだから文句言うな』という意味です。そんな所に好き好んで妹を働かせるわけないでしょう。」


『じゃあ巳波も一緒に働く？』

巳「なんの『じゃあ』ですか…」




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『ていうことがあってね、珍しく饒舌に論破されちゃったの。』

狗「いやでもまあ、オレも妹をそういう所では働かせたくないな…」

『意外と危なくないかもよ？』

狗「そうかも知れないけど、ミナの言う通り給料以外にその安全性を補償できるものが無いって事だろ？
危なくないかもしれないけど危ないかもしれない。半々なら最初から安全ってわかってるところでしか働いて欲しくないな。」

『うーん…』





半々、かぁ。





『それなら、安全性以外の面でメリットを並べれば納得させられるのでは？』

狗「懲りないなお前！？」

『「まずは体験」って書いてあるし、1回やってみて、巳波やトウマくんの言う通り危なそうだったらやめる！』





事前に準備していた履歴書を取り出して、トウマくんに押し付けた。





『サインして、保護者欄。』

狗「なんでオレなんだよ！？」

『巳波には拒否られたから…』

狗「そこまで全力で拒否してるミナをまだ説得しようとしてるお前に寧ろ感動するよ…」





結局トウマくんにも拒否られたため、何も知らない虎於くんにサインだけさせた。

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